6月23日(木)、本巣市上保に所在する正傳寺跡で高所作業車による景観撮影を行いました(写真1)。正傳寺は江戸時代後期(約250年前)に船来山南斜面に建てられた寺院で、大正時代(約100年前)に建て替えられたことが分かっています。5月から行ってきた正傳寺跡西半部の調査では、周囲から少し高い位置にお寺をつくるための基壇(きだん)とその石組みや、柱を支えていたと考えられる礎石(そせき)を確認しました。
写真1発掘区西半部全景(南から)
写真2の赤い矢印が礎石です。礎石の配置から、南側に正面があり、柱間(はしらま)が奥行2間から3間、幅が4間以上と考えられます。赤線部は礎石よりも間隔の狭い石列で、いわゆる縁側が巡っていた部分と考えています。黒線部は基壇を囲っていたと考えられる石組みの列です。青線部は大正時代に建て替えられたときに造られた石列と考えています。
写真2発掘区西側近景(南西から)
正傳寺跡の北には船来山古墳群が広がります。少し高台にある正傳寺から南を眺めると、本巣市上保地区が見渡せます。写真3は山側から正傳寺跡を眺めた景観です。
写真3発掘区西側近景(北西から)
7月以降、正傳寺跡東側(写真1の右寄り、ブルーシートで覆っているあたり周辺)の発掘調査を行います。正傳寺の全貌が明らかになることが期待できます。