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本文

木造本尊釈迦牟尼仏脇侍文殊普賢両菩薩

分類 重要文化財
指定別
所在地 高山市国府町西門前
所有者 安国寺
指定年月日 昭和31年2月24日

木造本尊釈迦牟尼仏脇侍文殊普賢両菩薩

左:普賢菩薩中央:釈迦牟尼仏右:文殊菩薩

像高釈迦牟尼仏:69.3cm脇侍(両像共):33.0cm

 安国寺釈迦三尊は延文2年(1356)の作である。今から凡そ六百年前、南北朝時代のもので今日まで完全に保存されているのは寺の格式の高いことを示している。実に見事な大作で、本県随一の傑作である。墨書銘から作者は、大仏師駿河法眼定範である。この三尊から、鎌倉時代の仏像制作の特色を遺憾なく窺える。釈迦牟尼仏の泰然として動かざる風貌、お顔の厳しい線、各要所要所にひそんだ鋭い線等、実に整然としたものである。衣皺[えしゅう]は深く刻まれている。また全身に金蒔絵の装飾が施されている。衣文[えもん]の装飾は鳳、龍の文様で左肩の鳳は目立って美しい。その他の部分は、牡丹の花と葉が描かれ、鎌倉時代の特色を示す麻の葉の文様もみられる。文様は、四角の渦線、丸みを帯びた渦線などで描かれており極めて細密である。
釈迦三尊を始めとして獅子、象共に眼は皆玉眼である。これは、リアルに徹しようとする姿勢を示している。文殊、普賢両菩薩の宝冠も実に精巧で、彩色も美しい。また、三躯共台座の蓮弁も美しく精巧である。全躯を通じて豊かな趣の内に整然とした刀の切れ味を示し、テクニックの熟達を表している。デザインの豊富なこと、装飾的傾向が濃厚なのは、この時代の特色である。

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