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木造飛騨一宮水無神社神像

木造飛騨一宮水無神社神像[もくぞう・ひだいちのみやみなしじんじゃ・しんぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 高山市一之宮町
所有者 飛騨一宮水無神社
指定年月日 平成15年2月28日

木造飛騨一宮水無神社神像

 これらの神像は、昭和8年(1933)、水無神社本殿床下より発見されたものであり、昭和12年の全社殿の大造営後、本殿中に安置されている。総数は50体ですべて男神像である。写真にはこれらのうち1号〜6号を示した。像容は主に巾子冠や?頭冠を戴き、袍を着け衣内で拱手し笏を執る形に造るが、胸前に彫出する5体を除き、当初の笏は亡失して1枚もない。大きさもさまざまで最大が74.5センチメートル、最小が22.8センチメートルと比較的小形の像が多い。また、この群像の中に同一作者の造像と思われる2体1対あるいは3対1対の神像が12組も含まれている。像の大半は鎌倉時代以降の制作であるが、平安時代制作によるものも含まれている。特に1号・2号・3号像は保存も比較的良好で、?頭冠を戴き太作りの首と奥行きも十分あり、ゆったりした躰部は過度な立体感を保ち、平安時代後期の温雅な作風を示す優品である。その他地方の素人作の素朴な像も交じっているが、平安後期からの神像造顕史を如実に見せる神像である。垂迹信仰を背景とした水無神社関係の造像と考えられ、50体という多さから、宗教史上にも貴重な遺品である。

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