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本文

銅造如来三尊像[どうぞうにょらいさんぞんぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 羽島市足近町北宿
所有者 大恵寺
指定年月日 昭和55年7月22日

銅造如来三尊像

像高左観音菩薩:34.9cm中央阿弥陀如来:49.0cm右勢至菩薩:34.9cm

 大恵寺[だいえいじ]の本尊として祀るこの像は一光三尊像で一般に善光寺如来といわれる形式の銅像である。
中尊の如来形は螺髪[らほつ]が彫出され、彫眼で肉髻朱[にくけいしゅ]、白毫相[びゃくごうそう]を表している。衲衣[のうえ]は、通肩[つうけん]に著けており善光寺如来特有のスタイルである。衲衣の下には、裳[も]を著け、左手は垂下[すいか]して第1,4,5指を捻じて、2,3指を下に向けて伸している。右手は屈臂[くっぴ]して掌を前にして立て第1,2指を捻ずる。肉髻朱、白毫には共に水晶を嵌入[かんにゅう]するが、白毫は欠失している。
頭部と両肩部は別鋳して接合している。また、像内は頭部から裾までを空洞に造り足ほぞを設けている。
台座は蓮肉と返花二段までを一鋳で造り下に框一段を置く。像と台座との木内接合は足裏に設けたほぞを蓮台の上面のほぞ穴に差し込んで留めている。
脇侍像は共に宝冠を載き、白毫相を表して条帛[じょうはく]をかけ裳[も]をつけている。また腕訓釧訓[わんせんひせん]も彫出されている。頭部と両肩は中尊と同様別鋳して取付ける。宝冠も別鋳して取りはずし可能に造られている。空洞の頭部裏面から水晶製の玉眼を嵌入している。玉眼は寄木造の木像に多く見るが銅造では非常に珍しい参考例である。
鋳造は木型によるもので、寄木造の技法を取り入れ玉眼に造るなど鎌倉中期の制作であろうと思われる。衣文[えもん]を少し浅目に彫り、衲衣を薄く表現するなど一光三尊像の内でも優れた遺作例といえる。

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