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スナヤツメ南方種

スナヤツメ南方種 Lethenteronsp.2 準絶滅危惧
(環境省:絶滅危惧II類) ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長15cm程度に成長する。口には下顎がなく、鰓穴は7対である。北方種と外観で識別不可能だが簡便なDNA解析を行うことで容易に識別可能である。
生息環境 幼生は水の通りの良い細砂や泥中に潜っており、成魚は岸の植物の茂みの中などに潜んでいる。県内では比較的規模の大きい河川に見られる傾向にある。
生態 アンモシーテス幼生は泥底に潜っており、泥中の有機物や珪藻類を食べるとされている。秋に成魚へと変態し、翌春に産卵して死亡する。
分布状況 本州・四国・九州に分布する。国外では朝鮮半島に分布する。県内では美濃地方・飛騨地方の比較的規模の大きい河川の上・中流域に見られるが、北方種と南方種の同所的に生息する小河川も確認されている。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 伏流水が湧くなど水の通りの良い砂泥底に幼生が生息するため、森林の荒廃や河川工事による泥化、伏流水の減少が悪影響を与えていると考えられる。
保全対策 河川への泥の流入を避け、伏流水の流れる砂泥底を残す。また、産卵のために成魚が河川内を移動すると考えられるため、ダムや堰堤などによる生息地の過度な分断を避ける。
特記事項 水産庁レッドデータブック希少種(スナヤツメとして)。御嵩町指定希少野生生物(スナヤツメとして。既知の分布域から御嵩町のスナヤツメは南方種と考えられる)。
参考文献
  • 岩田明久(2001)ヤツメウナギ類.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、pp.34-40:山と渓谷社.
  • 千藤克彦(2005)スナヤツメの生活史と微細生息場所.淡水魚類研究会会報、11:58-60.
  • 山崎裕治(2003)スナヤツメ.環境省自然環境局野生生物課(編)、改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック-4汽水・淡水魚類、pp.146-147:財団法人自然環境研究センター.
  • Yamazaki,Y.,A.GotoandM.Nishida.2003.MitochondrialDNAsequencedivergencebetweentwocrypticspeciesofLethenteron,withreferencetoanimprovedidentificationtechnique.J.FishBiol.,62:591-609.

文責:向井貴彦

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