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森林下層植生衰退度(SDR)調査結果

ニホンジカの影響による森林下層植生衰退度ランク(SDR)調査結果について

 ニホンジカについては、環境省が「自然環境保全基礎調査」により、1978年(昭和53年)及び2003年(平成15年)に生息分布調査を実施しており、この間の生息頭数は全国で約1.7倍に増加しています。
岐阜県においては、平成23年度に行った「ニホンジカ生息状況調査」結果から2004年以降も生息分布が拡大しており、これに伴う農業被害の増加や交通事故の発生など人間との間に様々な軋轢が生じています。
 この問題に加え、大型の草食獣であるニホンジカは、生息数の増加とともに下層の植物の全てを食べ尽くしてしまうことから、その環境下に生息する植物や動物の生態系をも破壊してしまうことが、ニホンジカ特有の問題となっています。

 そこで、岐阜県内における森林下層植生の衰退度調査により、次の二点を把握することを目的に調査を実施しました。

  1. 県内の森林生態系への影響を把握する
  2. ニホンジカの生息分布を把握する(下層植生の衰退度とニホンジカの生息密度に相関関係があることから)

 なお、調査にあたっては、平成25年から平成26年の調査では岐阜大学との「鳥獣対策の研究に関する寄附講座開設に係る協定」に基づき、応用生物科学部附属野生動物管理学研究センター内の「鳥獣対策研究部門<外部リンク>」において調査を実施しました。
 平成28年度の2回目の森林下層植生調査については岐阜県にて実施しました。国有林内の森林については、中部森林管理局岐阜森林管理署職員の皆さんの協力を得て調査を実施していただきました。今後も岐阜県が隔年で調査を継続して実施する予定です。
 調査手法及び結果については、以下のとおりです。

1.調査手法

2.調査期間

平成25年から平成26年にかけての調査
 平成25年7月から平成26年10月まで(延べ40日間)
 (下層植生が繁茂する5月から10月までが調査期間となります。)
平成28年度からの継続調査
 前回の調査個所での継続調査5月から10月まで
 (下層植生が繁茂する5月から10月までが調査期間となります。)

3.調査対象

  • 岐阜県内を5kmメッシュに区切り、5kmメッシュ内に1点を調査区として設ける。
  • 調査区は、落葉広葉樹林内(コナラ、ミズナラ、ブナ、クリなど)または、アカマツ林内において、概ね20m区画とする。
  • 調査対象地点数は、道路が通行できないなど現地に到達できない箇所を除き、375点の調査を行った。
  • SDR調査箇所の分布については、別添図面のとおりです。[SDR調査箇所図[PDFファイル/304KB]
  • 平成28年度からの継続調査については、平成25年から平成26年に調査を行った箇所で実施しています。

4.調査結果

 ニホンジカの生息密度が高い岐阜県西濃地域、中濃地域では、顕著な下層植生の衰退が見られました。
 これまでニホンジカの目撃、捕獲が少ない岐阜県東濃地域および、飛騨地域東部でも顕著な下層植生の衰退が発生している地域があり、被害の拡大が示唆されました。

 平成28年度以降の隔年の調査結果は次のとおりです

  • SDRH28年度調査の結果:[平成28年度継続調査結果[PDFファイル/311KB]
  • H28調査時の結果について
     今回の継続調査結果から、ニホンジカの生息分布や被害状況が県内全域(下呂市金山地内から南へ)に拡大していることが判明しました。また、被害箇所が前回調査時より回復した飛騨のほうですが、H26の大雪により自然死や捕獲数の上昇により個体数が一時的に減ったからといわれています。今後も隔年ごとに調査地点の継続調査を行い、視覚的に被害情報の提供を行っていきます。

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