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サツキマス(アマゴ)

サツキマス(アマゴ) OncorhynchusmasouishikawaeJordanetMcGregor 準絶滅危惧
(環境省:準絶滅危惧) サケ目サケ科
選定理由 分布域の一部において個体数が減少しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 降海型では25-50cm、河川残留型では20-25cmで、サクラマス(ヤマメ)とは異なり、体側に明瞭な朱紅点を持つ。降海型のサツキマスには雌が多い。
生息環境 降海型のサツキマスは上流域(渓流域)まで遡上し、産卵できる流域全体が自然豊かな河川に生息する。河川残留型のアマゴは河川上流域に限り生息する。
生態 産卵期は10月で源流域まで遡上し産卵する。秋に体色が銀白色化し、背鰭と尾鰭の先端が黒くなり、スモルト化する。この状態はシラメやシマなどと呼ばれる。11〜12月の出水に合わせて海域まで流下する。降海した個体は甲殻類やイカナゴを食べて急速に成長し、4〜5月に河川を遡上する。河川残留型は終生河川で生息する。
分布状況 神奈川県以西の本州の太平洋側、四国、大分県以北の九州瀬戸内海側に分布する。国外には生息しない。県内では、長良川、木曽川、揖斐川に生息する。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 上流部の構造物の建設などにより、産卵場までの遡上ができなくなっていることが主要因である。
保全対策 太平洋側に流入する河川では、スモルト化したサツキマスを放流し資源の回復を目指している。
特記事項 水産庁レッドデータブック絶滅危惧種(サツキマス(降海型)として)。漁業権魚種。長良川のサツキマス個体群は日本で唯一の漁業が成り立つ個体群である。
参考文献
  • 岐阜県農政部水産課(2008)岐阜県の水産業.
  • 細谷和海(2000)サケ科.中坊徹次(編)、日本産魚類検索第2版、pp.299-304:東海大学出版会.
  • 中野繁・田口茂男・柴田勇治・古川哲夫(2002)サツキマス・アマゴ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、pp.169-179:山と渓谷社.

文責:大原健一

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