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サシバ

サシバ Butasturindicus(Gmelin) 準絶滅危惧
(環境省:絶滅危惧II類) タカ目タカ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長50cm位でオオタカより一回り小さい。上面は茶褐色で腹部は白く茶褐色の横班がある。頭部は灰褐色で稀に全身が黒褐色の個体(黒化型)がいる。雌雄ほぼ同色である。
生息環境 丘陵帯から山地帯の山林、里山に生息する。農耕地がモザイク状に入り込んだ谷地形の森を好む。
生態 夏鳥。九州以北では夏鳥であるが、南西諸島では冬鳥となる。越冬地は東南アジアの島々である。繁殖期は5〜7月である。アカマツなどの樹上に巣を作り、カエルやヘビ、大型の昆虫を捕食する。繁殖期には「ピックィー」とよく鳴く。9月中旬〜10月上旬に渡りの途中の個体を市街地でも何十、何百とまとまって見ることができる。
分布状況 本州、四国、九州で繁殖。冬は南西諸島以南に渡る。県内では、高山市、下呂市、恵那市、瑞浪市、関市、岐阜市などの丘陵帯で繁殖していることが確認されている。下呂市の御岳山麓や岐阜市の金華山では、多くの渡りが見られる。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 本種の繁殖環境はいわゆる里山と呼ばれる地域にあり、二次林であるが、里山の環境が急激に悪化している。また、採餌場となる谷地の水田が減少していることも影響している。
保全対策 繁殖地において開発行為を行う場合は十分な調査を実施した上で保全対策を講ずる必要がある。
特記事項 御嵩町指定希少野生生物。
参考文献
  • 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
  • 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
  • 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)

文責:安藤辰夫・大塚之稔

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