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オオジシギ

オオジシギ Gallinagohardwickii(Gray) 絶滅危惧II類
(環境省:準絶滅危惧) チドリ目シギ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長30cm前後のハト位の大きさのシギである。体の色は淡褐色で黒褐色のまだら模様がある。くちばしは細くて長い。体毛は、雌雄同色である。
生息環境 丘陵帯から山地帯の高原の草地や湿原などで繁殖する。渡りの時期には河川敷の草地や農耕地でも見られる。
生態 夏鳥。越冬地はオーストラリア東部である。4月頃渡来し、10月頃には渡去する。本州中部の繁殖地は山地帯の高原で、繁殖期は5月頃からである。巣は乾燥した草地の地上に作る。春と秋の渡りの時期には、低地の水田や湿地などにも出現し、長いくちばしを泥の中に突き刺して小動物を捕る姿が見られる。
分布状況 北海道では平地の草原、本州中部以北では高原の湿地に生息する。県内では、郡上市高鷲町蛭ヶ野高原で数番いが繁殖しているだけである。また、高山市高根町でも繁殖していたようだが、現在は確認されていない。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 本種の繁殖環境となるシバ草原は牧草地や茅場などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地である。しかし、こうした場所は生活様式の変化に伴いその価値がなくなって利用転換されたり、放置されて樹林化するなどして減少している。
保全対策 本種の繁殖する二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。ただし、本種の繁殖時期を避けるなど管理時期には留意する必要がある。
特記事項  
参考文献
  • 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
  • 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
  • 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)

文責:安藤辰夫・大塚之稔

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