ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

オオサンショウウオ

オオサンショウウオ Andriasjaponicus(Temminck) 絶滅危惧II類
(環境省:絶滅危惧II類) 有尾目オオサンショウウオ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 大きな個体は全長1mを越える世界最大の両生類である。体は茶褐色で黒色の斑紋があるが、変異が大きい。頭部などに疣状の突起がある。眼は小さい。卵塊は数珠状である。
生息環境 流水性で河川の中上流部に生息する。渓流だけでなく、川幅のある川、用水、小川でも発見されている。繁殖は上流部で行われることが多い。
生態 河川で生活し、あまり陸には上がらない。夜行性で日中は河岸の横穴などに潜んでいる。この横穴は河岸にある岩など水衝部に形成された渕にあることが多く、前面に平瀬が広がった場所を好むようである。繁殖期は8月下旬〜9月で、8月上旬頃から河川を遡上し始め上流部の河岸の横穴に産卵する。
分布状況 日本固有種。岐阜県以西の本州、四国及び九州の一部に分布する。四国は人為分布が疑われている。当県は分布東限付近である。県内では長良川流域及び飛騨川流域などに分布が見られる。人為的に移入された場所も知られている。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 河川改修など護岸のコンクリート化による巣穴となる場所の減少による。また、繁殖期には河川を遡上するため、移動経路がない堰などにより遡上が妨げられると繁殖に影響する。タイリクオオサンショウウオが放流されることにより、交雑個体が生じうる。
保全対策 生息地では横断工作物に移動経路となる斜路を確保することが望ましい。また、日中の隠れ場となる横穴にも配慮が必要である。中国原産のタイリクオオサンショウウオの放流による自然交雑が心配されるため、その導入を禁止する必要がある。
特記事項 特別天然記念物(種指定)。郡上市小間見川、鬼谷川、和良川及び洲河の各流域の生息地は国指定天然記念物。
参考文献
  • 松井正文・関慎太郎(2008)カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック80pp.:文一総合出版
  • 岐阜県高等学校生物教育研究会(1974)岐阜県の動物:大衆書房
  • 内山りゅう他(2002)決定版日本の両生爬虫類:平凡社
  • 松橋利光・奥山風太郎(2002)山渓ハンディ図鑑9日本のカエル:山と渓谷社
  • 佐藤井岐雄(1978)日本産有尾類總説復刻版:第一書房
  • 松井孝爾(1985)日本の両生類・爬虫類:小学館

文責:山田和生

<外部リンク>