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ミヤマシジミ

ミヤマシジミ Lycaeidesargyrognomonpraeterinsularis(Verity) 絶滅危惧II類
  チョウ目シジミチョウ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさは25mmほどの蝶である。翅の色は雄はやや暗い青紫色、雌は黒褐色の地色に後翅の外縁に橙色の三日月型の紋があり、後翅に橙色の斑紋が並ぶ。
生息環境 丘陵帯の低地〜低山地の陽当たりのよい草丈の短い草地に生息する。耕作地の周辺や河川敷、堤防などの草地に生息する。
生態 成虫は5月中旬〜10月中旬頃まで発生を繰り返し出現する。草地の周りを低く飛翔し、コマツナギなどの花で吸蜜する。雄は地面で吸水することもある。幼虫の食草(食樹)はコマツナギである。卵のまま越冬する。卵は食草(食樹)の根元付近に生み付けられる。
分布状況 国内では本州中部〜東北に局所的に分布する。国外ではユーラシア大陸と北アメリカ大陸にかけ北半球に広く分布する。県内では飛騨地方に分布するが、最近は多くの既知の生息地で記録がなく、急速に生息地が減少している。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 多くは河川敷や堤防に生息し、裸地のコマツナギを好んで産卵する。、コンクリートやアスファルトで改修された堤防、採草地の放置や植林などによるコマツナギの生育環境の悪化が一因であるが、本種の急速な衰退原因は不明な点が多い。
保全対策 食草(食樹)であるコマツナギの生育環境の保全が不可欠である。荒れ地状の乾燥した草丈の短い草地の確保が望まれる。本種は局地的に群生する蝶であり、ある程度の広い面積の生息環境が必要と思われる。
特記事項 岐阜県産には軽微な地理的変異があるとされるが、詳しい検討はなされていない。
参考文献
  • 西田眞也、岐阜県の蝶
  • 信州昆虫学会、信濃の蝶
  • 藤岡知夫、日本産蝶類大図鑑

文責:榎信好

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