ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

クロダカワニナ

クロダカワニナ SemisulcospirakurodaiKajiyamaetHabe 準絶滅危惧
(環境省:準絶滅危惧) ニナ(中腹足)目カワニナ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 殻の高さ40mm程になる淡水産巻貝である。殻は黒っぽい汚れをとると黄緑褐色で暗褐色の色帯を示すことがある。カワニナや巻筋の多いチリメンカワニナより細長い。
生息環境 流れが緩やかな河川の中流にあるダム湖や下流の浅い泥底に生息する。ため池などでも、比較的浅い岸に近い場所の泥底に生息している。
生態 成貝は泥底で生活する。カワニナやチリメンカワニナより腹足面が狭く、軟体を殻外に大きく出してシャクトリムシのように伸び縮みさせて軟泥上を移動することがある。付着力は弱い。夏から秋にかけて年間約80〜100個の幼貝を産む。生息水域の環境によって形の変化が生じやすい。
分布状況 静岡県〜広島県に局地的に分布する。県内では、関市、川辺町、笠松町、羽島市、海津市など木曽三川の中・下流域で確認記録があり、分布域は美濃地方の低地に限られる。当県は分布の北東限にあたる。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 河川改修などによる成貝の生息場所の消失による。特にため池などの閉鎖性の高い水域では、改修などで干し上げが行われると復元は困難である。
保全対策 閉鎖性の高い生息地では、改変に際して生息個体を一時的に保護し、改変後元に戻すよう配慮する。生息状況によっては、改修前に個体を別の場所に移し、改修後元の場所に戻すなどの配慮が望ましい。
特記事項  
参考文献
  • 後藤常明(1994)岐阜県関市の淡水産貝類.岐阜県博物館調査研究報告、15:岐阜県博物館
  • 後藤常明(1994)岐阜県のクロダカワニナ.ちりぼたん、24(3・4):日本貝類学会
  • 高見明宏(1997)クロダカワニナの分布と成貝および新生貝の種内変異.VENUS、56(4):日本貝類学会
  • (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
  • 紀平肇・松田征也・内山りゅう(2003)日本産淡水貝類図鑑(1)琵琶湖・淀川産の淡水貝類

文責:後藤常明

<外部リンク>