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クロサンショウウオ

クロサンショウウオ HynobiusnigrescensStejneger 絶滅危惧II類
(環境省:準絶滅危惧) 有尾目サンショウウオ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長約15cm、暗褐色〜黒褐色でしばしば黄褐色の斑紋がある。尾は長く全長の半分近くになる。幼生はバランサーを持ち尾に黒斑がある。卵嚢は白〜半透明のアケビ型である。
生息環境 成体は森林の林床に生息し、幼生は山間の湿原や池沼などで生育する。低地から山岳地まで垂直分布は広い。
生態 成体は樹林の落葉下や腐植土中で生活しており発見しにくい。繁殖期は4月中旬〜7月の雪解けの頃で、標高の高い場所ほど遅い傾向がある。山間の湿地や池沼などで産卵する。幼生は止水性で、多くは夏頃までに変態する。
分布状況 日本固有種。東北、北関東、北陸、佐渡など東日本に分布する。県内では高山市、飛騨市などで確認されており、主に飛騨地方の東部と西部の山地に分布している。県内での分布は本種の南限〜西限に近く貴重な個体群である。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 自然林の伐採、道路の開設などにより、生活場が消失するのみならず繁殖場となる湿原・池が乾燥化するなどして消失したことによる。融雪期に産卵するため、積雪量の減少など温暖化の影響を受ける可能性も考えられる。
保全対策 生息環境として繁殖場となる止水域と成体の生活場となる樹林といった複合した環境が必要であり、これらの環境が隣接していなければならない。繁殖場が干上がり、毎年の産卵期に人為的な保護が必要な個体群もある。
特記事項  
参考文献
  • 松井正文・関慎太郎(2008)カエル・サンショウウオ・イモリのオタマジャクシハンドブック80pp.:文一総合出版
  • 岐阜県高等学校生物教育研究会(1974)岐阜県の動物:大衆書房
  • 内山りゅう他(2002)決定版日本の両生爬虫類:平凡社
  • 松橋利光・奥山風太郎(2002)山渓ハンディ図鑑9日本のカエル:山と渓谷社
  • 佐藤井岐雄(1978)日本産有尾類總説復刻版:第一書房
  • 松井孝爾(1985)日本の両生類・爬虫類:小学館

文責:山田和生

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