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カワネジガイ

カワネジガイ CamptocerasterebrahiraseiWalker 絶滅危惧I類
(環境省:絶滅危惧I類) モノアラガイ(基眼)目ヒラマキガイ科
選定理由 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 殻高10mm以下で殻は薄質で、細長く、巻きが解けたような左巻きの淡水貝である。小型貝類であるが非常に特徴的な形態をしている。
生息環境 湖沼、河川中・下流のワンドなど流れの緩やかな淡水域の抽水植物帯が発達した豊かな水生植物群落の保全された場所に生息する場合が多い。
生態 流れの緩やかな淡水域のマコモなどにしっかり付着している。繁殖期は温暖期に長く続き、直径1.5mm〜2.5mmの扁平な卵嚢に4〜8個の卵が確認されている。
分布状況 日本固有種。東北から九州にかけて広く分布するが、生息地は局地的で少ない。県内では笠松町にある「トンボ天国」の池で1988年とその後1回生息が確認されているが、2008年の現地調査では生息を確認することができなかった。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 本種の生息できるような環境自体がほとんど残ってないのが大きな要因と考えられる。また近年の例では、本種は古くから珍奇な淡水貝として著名であり、マニアや業者による採集圧も無視できない。
保全対策 河川下流域及びため池の水質の浄化、無秩序な護岸工事の禁止などのほか水生植物群落など他の淡水生物を含めた生息環境の保全が不可欠である。
特記事項 水産庁レッドデータブック絶滅危惧種。
参考文献
  • 木村昭一(1994)東海地方の淡水貝類相.研究彙報(第33報):14-34.全国高等学校水産教育研究会
  • 水産資源保護協会(1997)軟体動物.日本の希少な野生水産物に関する基礎資料(IV):126pp
  • 増田修・内山りゅう(2004)日本産淡水産貝類図鑑(2)汽水域を含む全国の淡水貝類:240pp.ピーシーズ

文責:木村昭一

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