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トコジラミ

トコジラミについて知っていますか?

 最近、新聞報道などで「トコジラミ(別名ナンキンムシ)」についての話題を目にすることが増えてきています。
 増加している原因としては、海外からの荷物等に付着しての持ち込み、日本の住環境の変化、虫そのものに対する知識・情報不足などが考えられています。
 特に、現在、その生態について広く知られているとは言いがたいため、多くの方が、仮に発生しても気づかない、またはトコジラミだと分からないのが現状です。
 そこでこのページでは、トコジラミの生態等についてご紹介していくこととします。
 (以下写真は(公社)日本ペストコントロール協会ホームページより引用)

どんな虫か?

  • カメムシ目トコジラミ科に属します(シラミとは別の種類の虫)
  • 成虫の体長は5ミリから8ミリ程度で、体の形は扁平、楕円形、体色は褐色です
  • 卵は長径約1ミリ、5日から11日間程度で孵化します
  • 幼虫期間は約1ヶ月で、成虫とほぼ似た形をしています
  • 成虫の寿命は1年にもなります
  • 生存に最適な温度は25度から27度(ただし、温度条件により生育期間は大きく変動する)です
  • 活動期間は6月から9月の間とされていますが、建物内の暖房などにより活動期間は広がる傾向にあります

トコジラミ写真

どんな生活をしているのか?

  • ヒトやその他の小動物(ウサギ、マウス、モルモット、小鳥など)からの吸血が栄養源となっています
  • 夜になると潜伏場所から出てきて吸血活動を行います
  • 成虫、幼虫ともに吸血します
  • 基本的には、部屋の壁、柱の割れ目、家具の隙間など昼間は暗い場所に生息しています
  • 雌は1日あたり5個から6個程度の卵を産み、一生の間の産卵数は200個から500個程度にもなると言われています
  • 飢えや低温には比較的強いとされています
  • 排泄は潜伏場所内では行わず、外に向けて行うので、その周辺には黒褐色の汚点(血糞)が付着します
  • 多量に発生した場合は、カーテン、コンセントの中など室内のあらゆるところに生息が見られることがあります

トコジラミ写真2

どんな被害があるのか?

  • 主として夜間睡眠中に腕、足、首回りなどの露出部分が刺され、吸血されます
  • 刺されることにより、激しいかゆみや赤みが現れることがありますが、人により感受性の差があるようです
    (かゆみがひどい場合は、医療機関への受診をお勧めします)

被害が出たらどうしたらよいか?

  • トコジラミの防除方法として、熱風や高温の蒸気の使用、掃除機による吸引、隙間の封鎖、潜伏場所となりそうな場所の掃除などの方法があります
  • 一般的な殺虫剤は、トコジラミに効果がない場合もあります。また、くん煙殺虫剤を使用することで、かえって生息範囲が広がってしまうこともあります
  • したがって、発見した場合は、信頼できる駆除業者へ駆除の相談をされるのが望ましいと言えます
  • 特に宿泊施設などで発見した場合は、他室への被害の拡大を防止するために、その部屋を閉鎖するなどの対策や、家具類などの移動時、および掃除の際の注意が必要です

 

<ご相談先>
トコジラミについては、お近くの保健所へご相談ください。
なお、県ではトコジラミの駆除は行っておりません。

 


<引用・参考文献>

  • 田中生男ほか編著:「住環境の害虫獣対策」(財)日本環境衛生センター(2004.4)
  • 安富和男ほか:「衛生害虫と衣食住の害虫」全国農村教育協会(2007.7)
  • 佐藤仁彦編:「生活害虫の事典」朝倉書店(2003.12)
  • 武藤敦彦ほか:「【特集】出没する衛生害虫(トコジラミ)への対応(月刊ビルメンテナンス)」公益社団法人全国ビルメンテナンス協会(2011.7)
  • 豊島区池袋保健所生活衛生課編:「トコジラミに注意」パンフレット(2011)
  • 矢口昇:「東京都におけるトコジラミの現状と課題」平成22年度ねずみ・衛生害虫駆除研究協議会(第45回ペストコントロールフォーラム)資料
<外部リンク>