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平成29年度決算審査等の結果(平成30年度実施)

NO. 種類及び概要へのリンク 審査結果全文
岐阜県歳入歳出決算並びに土地開発基金及び
美術館美術品取得基金の運用状況の審査
PDF(1,319KB)
岐阜県公営企業会計の決算審査 PDF(729KB)
岐阜県健全化判断比率及び資金不足比率の審査 PDF(147KB)

 

審査の概要

 

岐阜県歳入歳出決算並びに土地開発基金及び美術館美術品取得基金の運用状況の審査

 

 地方自治法の規定により平成30年8月1日付けで審査を求められた平成29年度における岐阜県歳入歳出決算並びに岐阜県土地開発基金及び岐阜県美術館美術品取得基金の運用状況について、次のとおり審査し、その意見を知事に提出しました。

 

〇平成29年度岐阜県歳入歳出決算審査意見書

 

1審査の対象

 岐阜県一般会計

 岐阜県公債管理特別会計ほか9特別会計

 

2審査の期間

 平成30年8月2日から同年9月10日まで

 

3審査の結果及び意見

【審査の結果】

 審査に付された平成29年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書並びに財産に関する調書の計数は、関係諸帳簿等証書類と符合し、正確であることを確認した。

 予算の執行については、定期監査において是正・改善を要する事項がみられたものの、議会の議決の趣旨に沿って、おおむね適正かつ効率的に行われているものと認めた。

 また、財産の取得、管理及び処分についても、過年度登録漏れに起因する公有財産台帳の一部補正など、定期監査において是正・改善を要する事項がみられたものの、おおむね適正に行われているものと認めた。

 

【審査の意見】

(1)県財政の現状及び行財政改革の取組み

 県財政の現状を各種財政指標等でみると、経常収支比率は依然として高い水準にあるものの、財政規模に対する借入金の返済額の大きさを示した実質公債費比率は6年連続して低下し、県財政に対する公債費負担について改善傾向がみられる。しかし、県債発行残高は、近年、公共投資等に係る県債残高が減少しているものの、地方交付税の代わりとして発行する臨時財政対策債の残高が増加していることから県債残高全体が増加している。加えて、県庁舎の再整備も控えており、今後、多額の公債費負担が予測される。これらのことから、県財政は依然として厳しい状況にある。

 このような状況の中、県では、財政を持続可能なものとするため、これまでの行財政改革の取組みを継続した「平成28年度から平成30年度の行財政改革の取組み」(以下「行財政改革の取組み」という。)に従い、事務事業等の見直しや、節度ある県債の発行、県税収入の確保、県有財産の売却など、節度を保った財政運営に取り組むとともに、効率的で質の高い行政サービスの提供に向けた組織マネジメントの強化や、県財政の見える化などに努めている。

 しかし、今後の景気動向や税制改正の方向性など地方財政収支の見通しが不透明な状況にある中、社会資本の老朽化や社会保障関係経費の自然増への対処に加え、「清流の国ぎふ」創生総合戦略に基づく地方創生の積極的な推進や、平成28年熊本地震や平成30年7月豪雨等の災害を踏まえた防災・減災対策の強化など、様々な政策課題があり、今後の財政運営は予断を許さないところである。

 このため、「行財政改革の取組み」に従い、引き続き節度ある財政運営の継続、歳入確保対策、組織マネジメントの強化、県財政の見える化等を着実に進め、中・長期的な視野に立った健全で持続可能な財政運営に努められたい。

 また、地方公共団体における統一的な基準により作成した平成28年度決算に係る財務書類(貸借対照表、行政コスト計算書等)が平成30年3月末に公表され、これまで現金主義では見えにくかった減価償却費などのコスト情報、資産・負債のストック情報が見える化されたところである。今後は、これらの情報を活用して、資産管理、予算編成、行政評価等さらなる県財政の効率化・適正化に取り組むとともに、公表時期の早期化に努められたい。

 

(2)効率的・効果的な県事業の実施

 「行財政改革の取組み」において、県は、各事業の費用対効果や必要性、効率性を点検しつつ、継続した見直しを行うことにより、一層の事業の効率化を図ってきた。平成29年度に「岐阜県事務事業棚卸しプロジェクト」を立ち上げ、「事務事業見直し方針」を策定し、事務の改善、事業の見直しに取り組んでいるところであるが、引き続き、県民サービスの向上や費用対効果の検証について継続的に実施されたい。

 また、公共施設等(建物及びインフラ施設)の老朽化対策に当たっては、今後の財政状況や人口動態等を踏まえて長期的な観点から定めた「岐阜県公共施設等総合管理基本方針」(平成27年8月策定)に従い、総合的かつ計画的な管理を推進されたい。

 一方、定期監査等における意見として、補助事業について補助効果を把握・分析し、最小の経費で最大の効果を上げる事業を実施すること、委託事業について単年度の評価だけでなく将来的な費用対効果も意識した上で事業を進めること、財産について財産管理の重要性や公金意識について職員への徹底に努めることなどに言及しているところである。事業実施に際しては、これらに留意して事業に取り組み、県民に対する説明責任をより一層果たすよう努められたい。

 

(3)歳入の確保

 持続的な財政運営を行うためには、自主財源を確保する取組みが重要であり、「行財政改革の取組み」においても、徴収対策、滞納処分の継続的な取組み等による税収確保対策と県有財産の売却や未・低利用財産の貸付け等による税収以外の歳入確保を重点に挙げている。

 平成29年度一般会計及び特別会計の収入未済額は、71億6,127万円余と前年度に比べ3億7,966万円余(△5.0%)減少し、このうち、県税に係る収入未済額は45億4,519万円余と前年に比べ3億7,746万円余(△7.7%)減少している。これらは、滞納整理を着実に実施してきた成果ともいえる。

 そのうち、個人県民税の収入未済額は、31億7,291万円余と前年度に比べて3億5,293万円余(△10.0%)減少したが、依然として県税の収入未済額の約70%を占めていることから、徴収事務を行っている市町村との連携を一層強化して徴収率向上に努められたい。

 また、個人県民税に次いで収入未済額が大きい自動車税にあっては、収入未済額が5億4,519万円余と前年度に比べ5,429万円余(△9.1%)減少した。今後も引き続き期限内納付の徹底や厳格な滞納処分に取り組まれたい。

 県税以外の収入のうち、貸付金償還金において多額の収入未済が生じているものがあったので、適切な債権管理を行うことなどにより、未収金の早期回収に努められたい。

 今後も、様々な観点から新たな取組みについて積極的に検討を行い、一層の歳入確保に努められたい。

 

(4)財務関係事務の適正化

 本年度の定期監査を実施したところ、収入事務において私人に扱わせるべきでない出納員の印章を収入事務受託者に使用させていた事案、支出事務において週休日の振替の取扱いを誤るなど時間外勤務手当の過払又は支給不足があった事案、契約事務において契約審査会の審査を受けることなく契約方法や予定価格を変更していた事案があったほか、物品の管理事務において不用決定を行うことなく物品を処分していた事案やノート型パソコンを毀損し修繕料が発生していた事案など、是正・改善を要する事項が見受けられた。

 同様の事態が発生しないように、職員に対して正しい知識・認識の共有を図るとともに、公金意識やコスト意識を徹底させ、法令等を遵守し、適正かつ効率的な事務の執行に努められたい。

 また、公務中における職員の交通事故が毎年多数発生しており、監査でも毎年指摘している。これらの事故は、相手方に被害を及ぼすとともに、県の財産である公用車にも損害を与えていることから、交通事故防止の一層の徹底に向け措置を講じられたい。

 

(5)今後の県政運営

 岐阜県人口動態統計調査によれば、平成30年4月1日現在の本県の推計人口は対前年同日比12,512人(△0.6%)少ない2,001,230人となった。また、老年人口(65歳以上)の割合は29.4%となり、毎年上昇している。このように本格的な人口減少と高齢化が進む中、県には、暮らしの安全・安心を実現し、地域の活力を高めていかなければならないという大きな使命があり、「岐阜県長期構想中間見直し」(平成26年3月策定)においても、「希望と誇りの持てるふるさと岐阜県」を基本目標に、「新たな『成長・雇用戦略』の展開」、「確かな安全・安心の社会づくり」、「『清流の国ぎふ』づくり(「2020プロジェクト」)」の3つの基本軸を掲げ、様々な課題に取り組んでいるところである。

 また、岐阜県長期構想を具現化し、直面する人口減少・少子高齢化を念頭に具体的な施策をまとめた「『清流の国ぎふ』創生総合戦略」(平成27年10月策定)については、これまでの取組み状況等を踏まえた一部改訂(平成29年7月)を行い、県民が安心して暮らせる地域づくりを推進している。

 平成30年度の当初予算規模は、教員の働き方改革の推進などのため教育費において対前年度当初予算比で45億円増額するなど、8,130億円(前年度当初予算比16億円増加)と6年連続の増額予算となった。県経済においては、製造業で輸送用機械関連を中心に好調を維持しているものの、地場産業では依然として厳しい状況が続いているほか、雇用情勢は改善しているものの、中小企業では人手不足が慢性化している状況もあることなどから、今後もそれらの動向を注視していく必要がある。

 一方、国の厳しい財政状況に鑑みると、依存財源を頼りとする財政運営は安定性に欠けるとともに、社会保障関係経費や公債費等義務的な経費、庁舎や学校等の建物や道路等のインフラ施設の老朽化に伴う維持管理費の増加など、将来にわたって避けられない歳出の増嵩が予想される。さらに、年度間の財源調整を行い安定的な財政運営を行うための財政調整基金の確実な確保、多額の損失補償をしている外郭団体の経営改善に向けた指導・助言、貸付金に係る償還金等の収入未済の解消など、県が取り組むべき課題は多い。

 県民への負担を今以上に増やさないためにも、今後は、さらに迅速な意思決定を行い、具体的数値目標の設定による戦略的経営姿勢をもって、これら県政の諸課題に取り組まれたい。

 また、平成29年6月の地方自治法等の一部改正により、平成32年度からは地方公共団体における内部統制制度が施行されることから、事務の適切な執行を確保できるよう、内部統制に関する方針の策定及び必要な体制の整備に向けて計画的に取り組まれたい。

 今後とも、説明責任に十分意を用いつつ、「行財政改革の取組み」を断行されるとともに、「清流の国ぎふ」づくりを推進し、県民の理解と協力を得られる県政運営に努められたい。

 

〇平成29年度岐阜県土地開発基金運用状況審査意見書

 

1審査の結果及び意見

 審査の結果、基金の運用は適正かつ効率的に行われており、また、計数は正確であると認められた。

 

〇平成29年度岐阜県美術館美術品取得基金運用状況審査意見書

 

1審査の結果及び意見

 審査の結果、基金の運用は適正かつ効率的に行われており、また、計数は正確であると認められた。

 

 

 

岐阜県公営企業会計の決算審査

 

 地方公営企業法の規定により平成30年5月31日付けで審査を求められた平成29年度における岐阜県公営企業の決算について、次のとおり審査し、その意見を知事に提出しました。

 

○平成29年度岐阜県公営企業会計決算審査意見書

 

1審査の対象

 平成29年度岐阜県水道事業

 平成29年度岐阜県工業用水道事業

 

2審査の期間

 平成30年5月31日から平成30年8月29日まで

 

3審査の結果及び意見

【審査の結果】

 審査に付された決算諸表は、関係法規に準拠し、会計原則に基づいて作成され、事業の経営成績及び財政状態を適正に表示していると認められる。

 また、事業の運営については、地方公営企業法第3条に規定されている経営の基本原則に沿って行われたものと認められる。

 

【各事業における審査の意見】

(1)水道事業

 平成29年度の水道事業収益は66億2,224万円余で、固定資産の減価償却累計額の見直しによる過年度損益修正益11億8,669万円余の計上などにより前年度に比べ13億6,615万円余の増加となった一方、水道事業費用は44億5,014万円余で、同様の見直しによる過年度損益修正損3億3,706万円余の計上などにより前年度に比べ4億5,503万円余の増加となっている。この結果、当年度の純利益は21億7,210万円余となり前年度に比べ9億1,111万円余増加し、昭和58年度から35年間にわたって黒字決算を持続している。

 また、財務基盤については、自己資本構成比率が81.4%で前年度より1.3ポイント上昇し、その他の財政状況、経営成績の指標も良好な指数を示しており、経営状況は健全といえる。

 しかし、一部の建物において、固定資産台帳に設定された耐用年数が地方公営企業法施行規則別表第二号に定める有形固定資産の耐用年数と異なっていたことから、固定資産台帳を精査し、正確性を確保するとともに、適正な減価償却費を計上する必要がある。

 約40年間にわたり実施される大容量送水管整備事業や既設送水管等耐震対策事業が進められており、長期間にわたる多額の財政負担が見込まれる一方で、将来的な人口減少に伴う給水収益の減少が予想されることから、内部留保資金を適正に算定し、長期的な視点に立った収支バランスを確保した上で、次世代の費用負担の軽減を図り、安全・安心な水道水の安定供給を図るとともに、健全な経営の確保に努められたい。

 

(2)工業用水道事業

 平成29年度の工業用水道事業収益は、平成29年4月1日から1立方メートルあたりの料金を11円引き下げた影響などで8,538万円余となり、前年度に比べ933万円余の減少となった一方、工業用水道事業費用は6,732万円余で、前年度に比べ148万円余の増加となった。この結果、当年度の純利益は1,805万円余となり、前年度に比べ1,082万円余の減少となったが、工業用水道事業経営の根幹をなす給水量(年間総有収水量)は、契約水量が増加したことなどから、1,290,297立方メートルと前年度に比べ5.5%増加しており、施設利用率も36.2%と前年度に比べ1.9ポイント高くなっている。

 しかし、一般会計からの借入金が4億8,134万円余あること、専用の浄水場を有していないことから水道事業の浄水場を暫定的に使用している状況にあること、さらに、事業開始から22年目を迎え、今後は施設改修等が必要となることが予想されるが、内部留保資金は1億26万円余と十分確保されているとは言い難いなど、脆弱な経営基盤となっている。

 また、平成10年3月に取得した美濃加茂市山之上町地内の工業用水道事業の浄水場建設用地については、減損損失の認識の判定に特に留意するよう意見を付してきたところである。今年度も、減損の兆候を認識しているものの、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回るため減損損失を認識していないが、その進捗管理については引き続き留意する必要がある。

 併せて、総務省が平成32年度までに各公営企業に対し策定を要請している、中長期的な経営の基本方針である「経営戦略」においては、今後の水需要を把握した上で、それに見合った施設整備などについて十分な検討を行い、その策定を進める必要がある。

 今後は、より一層、関係部局や関係市町と連携を強化し、既設管路周辺地域への進出企業等に対し水需要の新規開拓に向け努力するとともに、既受水企業へも増量契約を図るなど、給水収益の向上につながる戦略的な取組を行い、経営の安定化、健全化に努められたい。

 

 

岐阜県健全化判断比率及び資金不足比率の審査

 

 地方自治法の規定により平成30年7月27日付けで審査を求められた平成29年度における岐阜県健全化判断比率及び資金不足比率について、次のとおり審査し、その意見を知事に提出しました。

 

○平成29年度岐阜県健全化判断比率審査意見書

 

1審査の対象

 平成29年度岐阜県一般会計、特別会計及び公営企業会計の決算に基づく、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率とその算定の基礎となる事項を記載した書類

 

2審査の結果及び意見

 健全化判断比率は正確に算定されており、その算定の基礎となる事項を記載した書類は適正に作成されていることを認めた。

 

(単位:%)

 区分 H29年度
健全化判
断比率
H28年度
健全化判
断比率
早期健全
化基準
財政再生
基準
実質赤字比率

3.75

5.00

連結実質赤字比率

8.75

15.00

実質公債費比率

10.0

11.8

25.0

35.0

将来負担比率

199.1

195.8

400.0

-

備考:実質赤字比率及び連結実質赤字比率は、前年度と同様に実質赤字比率額及び連結実質赤字額が生じていないため、算定されない。

 

 

○平成29年度岐阜県公営企業会計資金不足比率審査意見書

 

1審査の対象

 平成29年度岐阜県水道事業会計、工業用水道事業会計及び流域下水道特別会計の決算に基づく、資金不足比率とその算定の基礎となる事項を記載した書類

 

2審査の結果及び意見

 審査に付された資金不足比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類は、適正に作成されているものと認められ、資金不足は発生していない。

(単位:%)

 会計名 H29年度
資金不足比率
H28年度
資金不足比率
経営健全
化基準
水道事業会計

-

-

20.0

工業用水道事業会計

-

-

流域下水道特別会計

-

-

備考:資金不足比率は、前年度と同様に資金不足額が生じていないため、算定されない。