ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 知事記者会見 > 平成29年度 > 知事記者会見(平成30年2月8日)

本文

知事記者会見(平成30年2月8日)

記事ID:0017164 2018年2月16日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成30年2月8日(木曜日)15時00分

知事

 それでは、平成30年度の当初予算につきまして、まず全体的な姿を私の方からご説明して、それぞれ各部局の方から各論をまた聞いていただくことになろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 お手元の資料Iで「平成30年度当初予算編成」ということで、1ページ目が折れ線グラフの横長の表がありますが、そこから全体の流れ、姿を概観していただきますと、平成30年度予算規模は、8,130億円ということで、平成29年度当初に比べまして16億円のプラス。0.2%のプラスということでございます。
 当初予算額の推移は下の折れ線グラフのとおりでございますが、平成24年度をボトムに、その後、結果的に6年連続の増額の予算ということでございます。
 それから2ページ目を見ていただきますと、当初予算の骨格でございますが、まず歳入について見ますと、平成30年度の当初予算と29年度の当初予算を比較して増減のところを見ていただきますと、ひとつは県税が49億の増となっておりまして、これは個人県民税、地方消費税といったところが伸びるだろうという見通しでこれだけのプラスになっております。県税が伸びたことで裏返しになるわけですが、若干それを反映して地方交付税と地方交付税の代替であるところの臨時財政対策債、これにマイナスがたっております。
 県債は、臨時財政対策債を除く分でありますが、プラスの19億でございますが、普通建設事業のいくつかのプロジェクトがありまして、それの反映ということでございます。それから国庫支出金の方には、国から来るお金ですけれども、増えるものもあれば減るものもあるということで、特に金額的に大きいのは国民健康保険の財政安定化基金の積立てが大幅に減り、あるいは揖斐川町の地すべりがございましたけれどもこれの復旧事業が終了するものですから、そんなことも含めてマイナス13億円となっているということでございます。全体としてはそういったことを除けば、ほぼ横ばいでございます。
 それから3ページ目をご覧いただきますと、今度は歳出の方ですが、歳出も2種類ありまして、3ページは経費別の歳出、それから4ページは支出分野別の歳出でございまして、一部重なる所もございますが、それぞれ見ていただきますと、まず3ページの経費別の歳出でいきますと人件費がプラスになっております。これは人事委員会の勧告の実行がございますし、それから来年度は定年退職者の数が少し増えますのでその分の退職手当が増えるということもありましてプラスになっております。
 一方、公債費でございますが、このところ発行を抑制気味に推移してきておりますので、それを反映してマイナス82億ということでございます。9年連続の公債費の減少ということでございます。それから社会保障関係経費、これも増えるということで議会答弁等々しておりますが、マイナスになっているのではないかとご覧になられるかと思いますが、これも先ほどご覧いただきましたように、自然増がある反面、国民健康保険の基金の積立が31億減るとか、地域医療介護総合確保基金も12億減るとかですね、そういった社会保障関係の積立てが大幅に減ることに伴って自然増を補って余りあるという形になっているということでございますが、毎年こうなることではありませんので、先々見てみますと間違いなく社会保障関係経費は構造的な赤字要因としてさらに大きくなっていくだろうということでございます。それから普通建設事業費がプラス78億ということで伸びておりますが、これはいろんなプロジェクトがございますが、いわゆるインフラ的なところの公共事業、県単とかは横ばいに動いておりまして、増えておりますのは「県有建物長寿命化計画」、これは約10年間の長期計画でそれに沿って見直していくというものでありまして、これに36億プラスになるということと、県庁舎の駐車場ができますがこれが17億円、それから工業技術研究所のモノづくり拠点ということで再整備をしますが、これがプラス31億、あるいは国からの補助金にも関わるのですが、強い農業づくり交付金というものをいただいて農産物処理加工施設を設置しますのでこれが14億プラスでありますとか、同じく国からのお金をいただいて行う森林整備が14億円プラスであるとかですね、障がい者用の体育館が10億とか、こういったものを積み上げていくと大体こういうプラスになるということでございます。
 それから、「分野別」の歳出をご覧いただきますと、「総務費」がプラス20億ですが、この相当分が県庁舎の駐車場分でございます。それから人件費の増もここに入ってきております。それから「民生費」がマイナス131億となっておりますが、これは国民健康保険について、特別会計を設置し、そこへ持っていくものですからこれが122億ありまして、その分がマイナスになっていますので大きく出ておりますが、逆に下の方に諸支出金がございますが、プラス182億と書いてありますが、このうち、122億がこの民生費から移ってきたところの国民健康保険特会設置のためのお金の移動でございまして、その分ここも膨れ上がっているということでございます。それから、教育費がプラス45億になっておりますが、これは岐阜希望が丘特別支援学校あるいは岐阜本巣特別支援学校の整備、もろもろの人件費の部分でございます。それからあとはそれほど大きな変動はないということでございます。
 それから5ページをご覧いただきますと、県債発行額の推移ということでありますが、点線が国に求められて本来なら交付税でいただく分を借金で肩代わりしているという部分でございまして、平成13年度にスタートしましたけれども、これが平成20年度まではそこそこの規模で推移しましたが、その後急増しておりまして、一旦、28年度に向けて下がりましたけれども、またこのところ微増という動きになっているということでありまして、この部分と本来の岐阜県としての県債発行、実線でございますが、基本的には右肩下がりできておりまして、その後、このところやや増えつつございますが、景気対策その他で出てきております。これを合わせたものが一番上の二本線の推移でございます。大体ここ数年間両方合わせますとほぼ横ばいに推移しておりますけれども、30年度については、29年度の1,257億から1,169億ということでマイナスでございますし、県債も813億から732億ということでざっと80億マイナスになっているという姿でございます。かつての1,500億台とは様変わりではございます。
 この結果、「県債残高の推移」でございますが、次の6ページでありますが、この臨財債以外の黒くなった部分、これが平成18年度あたりから一貫してずっと減ってきておりまして、ここにきて微増に推移してきておりますが、この白い部分が臨財債の残高でありまして、これがどんどん膨れ上がっているということで、トータルしますと平成30年度は、1兆5,774億の県債残高ということになるわけでございます。残高があるということは償還があるということですので、国の方からその償還に見合った交付税をいただくというつもりではありますが、この部分が償還としては将来膨れ上がってくるというところでございます。
 その結果、今度は「公債費」、毎年の借金を償還する額、7ページでございますが、臨財債を入れても入れなくても21年度がピークでございまして、そこから特に県債の方が急速に減ってきておりますので、743億が来年度の公債費の見通しでございます。
公債費が減ってきますと「実質公債費比率」という標準財政規模に占める公債費の割合がどの程度かということでありますが、ちょうど岐阜県の財政危機がいろいろ言われておりましたのがこの数字でございまして、平成21年度から24年度までが18%を上回っておりまして、この4年間は県債発行に当たってはいちいち総務大臣の許可がいるということで、起債許可団体という時期が4年続いたわけですが、先ほども見ていただきました公債費の右肩下がりの中で急速に実質公債費比率が下がってきておりまして、平成29年度は11.0で、30年度はまだこれからでありますけれどもさらに下がるであろうと、おそらく31年度くらいになりますと一桁になるのではないかと思っておりまして、丁度こういう場で皆さん方に19.7という数字を見ていただいた頃と比べると様変わりでございます。それから全国平均と比較しましても28年度は若干でありますが逆転しておりますし、29年度もおそらく全国平均よりも下回っているのではないかと思っておりまして、一つの財政の健全化の指標としてはこの数字的には明らかによくなってきたということでございます。というのが予算全体の姿でございます。

 そういう中で、どういう内容の予算を組み立てたかというのが資料IIでございます。最初のところにざっとした概要が紙1枚付けてありますが、スローガン的に言えば「『清流の国ぎふ』づくり深化と挑戦」ということでございます。ここにありますように、本県の財政は、持続可能な財政運営への目途がつきつつあるけれども、いろいろ不透明な点、あるいは構造的に増えていく課題を考えると、節度を保った財政運営とそういう中でのメリハリのきいた政策展開をやっていく必要があるという、この基本スタンスはこの4行に書いた通りでございます。従って、平成30年度予算を組み立てる私どもの基本姿勢もまさにこの4行に要約されているわけでありまして、節度とメリハリということが基本姿勢としてやってきたところでございます。その上で、どういう政策を打ち出していくかということでありますが、3つここに書いてありますが、「人づくり」と「生産性向上」、それから「2020東京オリ・パラを見据えた『ぎふブランド』づくりと内外交流戦略」、3番目が「安全・安心・健康づくり」と、この3本柱でまさに「清流の国ぎふ」づくりを深化させ挑戦していくと、こういう考え方でおりますが、やはり底流として安倍総理も国難とおっしゃっておられますけれども急速な人口減少、少子高齢化の中で、担い手対策なり、あるいは担い手を確保するためにも岐阜の魅力を最大限に発信をしていくという部分と、安全・安心・健康と書いてありますが、県民皆さんへの生活の目配りといいますか、魅力発信と生活への目配りというあたりが大きな骨格になっていると思っております。
お手元にA3見開きの横長の紙がありますが、全体をどういう構成になっているかをパッと見ていただくうえでは一枚紙の方がいいだろうということで、あと後ろにはそれぞれについてどのような予算があるかというのがありますので見ていただければと思いますが、その辺りはまた後で各部の方からお話があります。
 少し見づらいのですが横長の一枚紙の見開きのものをざっと見ていただきますと、1番目が「人づくり」と「生産性向上」ということで、人づくりについては、きめ細かな人づくりの展開ということで、産業、地域、多様な人材ということで大きく分けまして、産業の中では、製造業・成長産業、観光産業、農林畜水産業、建設・建築業、医療・福祉と、それぞれの分野ごとに新しい課題、あるいは継続している課題、それぞれのことについてきめ細かに予算を配分していくということでございます。
 特に製造業・成長産業でいきますと、高校生・大学生の県内定着のためのあの手この手ということでございますし、観光でいえば、ガイド、あるいはインターンシップということで、地域の魅力をいろんな形で発信していくと、そのための人材を確保していくということであります。それから農林畜水産業では、就農研修拠点が2箇所できます。「飛騨牛研修・繁殖センター(仮称)」ということで、美濃加茂市と飛騨市の2箇所に作ります。
 それから「森のジョブステーションぎふ(仮称)」、これは林業版のハローワークでございまして、就業相談から職業定着まで一貫してケアをするということでございます。それから森林文化アカデミーの中に、いろいろな世代の方々に森林を学んでいただくということでございまして、木育といいますか、「森林総合教育センター(仮称)」を用意しております。それから、先般にも報道されておりますけれども、美術館・図書館のエリアに予定しておりました「木のふれあい館(仮称)」、廃棄物が出ましたので、いろいろコスト計算すると、あそこでこれ以上いじるのはあまり適当ではないということで、清流文化プラザの西側にフラットなスペースがございますので、そちらに持っていこうかということで考えております。この「木のふれあい館(仮称)」を整備をするということで、木育の場とするということでございます。
 それから建設・建築では、大垣のソフトピアに、「建設ICT人材育成センター(仮称)」とか、「ぎふ建築担い手育成支援センター(仮称)」とか、まさに人材育成の拠点を作ろうということでございます。医療・福祉では、へき地医療人材の育成でありますとか、あるいは大学と連携をとった外国人介護人材の育成などが入っております。
 地域でいえば、移住定住、これはこれまでにもやってきておりますが、さらにプッシュしていくということでございます。それから消防団員、これは減税制度を設けたわけでありますが、これが非常に効果的だったのかと思いますが、過去3年間で、全国ほとんどの県で消防団員が減っていく中で、岐阜県は559人のプラスということで全国1位でございますが、さらに、減税の対象にはならないけれども消防団員の確保に取り組んでおられる企業がございますので、報奨金制度もさらにこれに加えようというようなことでございます。
 教員としての人材確保という観点からは、やはり職場の働き方改革ということで、サポートスタッフの配置とかいろいろ配慮していこうということでございます。
 地域でいえば、地歌舞伎の人材とかですね、匠の技の保存・伝承を支える人材、特に道具ですね、道具を作り、磨く人材といったものも大切にしなければいけないということでございます。
 女性という意味では「女子旅」、女性の観光旅行ツアー・商品というものをもっともっと焦点を当ててやっていこうとか、あるいは「ぎふジョのアイデアから生まれたすぐれもの(仮称)」といった格好で、女性の目線からの優れものの発信とかですね、そんなことを考えているわけであります。
 障がい者に関してはワンストップで就労支援をする「障がい者総合就労支援センター(仮称)」、これは平成32年度にオープンする予定でございますが、それを進めていくとか、あるいは障がい者の就労を支援する支援員の配置でありますとか、それから高齢者を支える元気な高齢者の人材確保というようなことも考えております。
 外国人もですね、外国人の防災リーダーでありますとか、外国人の介護人材でありますとか、いざという時に、外国人をケアする人たちという面でもそうですし、人手不足を補うという面でも、外国人も視野に入れて人づくりをやっていこうということでございます。
 それから二番目に大きな柱が「第4次産業革命と生産性向上」ということで、政府のおっしゃる生産性革命という部分でありますが、ここではソフトピアジャパン、あるいはIAMAS(イアマス)といった、岐阜県がこれまで蓄積してきた財産を発揮して、コンソーシアムといったり公募プロジェクトといったり、いろいろなアイデアをものづくりの分野で出していきたいということでございます。ものづくり、農林業、建設業、あるいは介護、いろいろなところでロボットの導入でありますとか、ITの導入でありますとか、そういったことを展開していこうということでございます。
 それから成長・雇用戦略ということで、これまでにもやってきておりますが、今度は「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」がスタートしますので、これを一つの契機に、JAXAとの連携の中で、岐阜県の企業とJAXAとの繋がりを深めるための連携とか、電気自動車産業への参入に向けての異業種交流でありますとか、サービス産業のクオリティを高めるための支援でありますとか、観光業におけるICTの活用とかを盛り込んでいるところでございます。これが「人づくり」と「生産性向上」ということでございます。
 それから二つ目の柱が、「2020東京オリ・パラを見据えた『ぎふブランド』づくりと内外交流戦略」ということで、まず、直接的な東京オリ・パラ戦略としては、競技力の向上、その中で特に新しく始めますのは、県のスポーツ科学センターの中に、障がい者のための専門スタッフを置きまして、パラリンピックを目指すアスリートに対する科学的なサポートといったことも新たにやっていきたいと思っておりますし、合宿誘致とか、いろいろな環境整備を睨んで、グリーンスタジアムのリニューアルでありますとか、川辺の漕艇場の利便性向上とか、高地トレーニングセンターの改善とか、そういったものを考えております。
 それから、オリンピック・パラリンピックを見据えて、先般も東京でキャンペーンをやりましたけれども、県産品とか県産材とか、あるいは食材のGAP獲得でありますとか、そういったことをやります。また、スポーツの世界では、今年が「アジアジュニア陸上選手権」、来年が「スポーツマスターズ」、再来年のオリンピックの年が「ねんりんピック」ということで、立て続けに全国的な、あるいはアジアワイドの競技大会をやりますので、これもこのオリ・パラ戦略の一環としてやっていこうということでございます。
 あとはオリ・パラに向けた文化もございますが、下の方の「4」に「芸術・文化の振興」というものがございますが、これもオリ・パラにも関連するということでございます。今までの県展を思い切って刷新しまして、「ぎふ美術展」ということで6月にやりたいと思っておりますし、アート体験プログラムとかですね、あるいは明治150年を契機とした文化の発信でありますとか、さらには「岐阜県障がい者芸術文化支援センター(仮称)」を清流文化プラザの中に作るとか、いろいろと多彩な文化・芸術発信のための施策をやっていこうと。これもオリ・パラの文化振興事業にも繋がっていくということでございます。
 戻りまして「2」の「観光産業の基幹産業化」のところは、引き続き、関ケ原、ひがしみの歴史街道、それから新たに中部山岳国立公園の活性化というテーマが一つ加わりまして、施設の整備とか、ONSEN・ガストロノミーウォーキングであるとか、ガイドの養成であるとか、これまでにほとんど手のつけられていないところですね、中部山岳国立公園ということで国からも認定を受けておりますので、磨いていこうということでございます。
 ドラマ・アニメの活用とありますが、特にこの4月からは「半分、青い。」というNHKの朝ドラが始まりますので、これも岐阜をアピールする一つの良いきっかけになるのではないかということで、大いに活用したいと思っております。
 それから、食を中心にした観光プロモーションというものを少し徹底してやってみようとか、あるいは世界農業遺産「清流長良川の鮎」についてさらに磨きをかけていこうとか、岐阜の匠の技ツアーということで、岐阜県の匠の技の体験、着地型の旅行商品を作っていこうとか、これまで以上に磨いていこうということでございます。
 それから「ぎふブランド」づくりという面でいいますと、海外に対するブランド戦略ということで、ヨーロッパはじめEPAの締結が進みますけれども、例えば原産地証明を岐阜商工会議所ができるようにして輸出を促進しようと、あるいはデザイナーとの連携もございますし、それから農林畜水産物では、和牛日本一奪還ということを戦略的にやっていこうということと、花きの内外販路拡大戦略、ジビエ、バイオマス燃料としての未利用端材の利用拡大と、そういったことを考えております。
 それから国際交流では、今年、サラマンカ大学創立800周年と連携をした記念事業が行われますし、秋には日仏160周年で「ジャポニスム2018」の中に岐阜の地歌舞伎も参加をすることが決まりましたので、これらを通じて岐阜の文化を発信していこうと。あと杉原千畝を縁に、リトアニアとの交流ということで、リトアニア独立100周年ということで、リトアニアとのいろいろな交流、あるいは県内における「リトアニア・NOW」といったようなPRをやっていこうと。それからブラジル県人会創立80周年、中国江西省との友好提携30周年とか、いろいろと周年行事もございますので、多層な国際交流ということで、身体がいくつあっても足りませんので全部に私も行くというわけにもいきませんので、手分けしてやっていこうと思っております。
 それから三番目の大きな柱が「安全・安心・健康づくり」でございますが、医療と福祉、これは従来からも医師確保対策等々をやっておりますが、特に過疎地域における医師確保の推進ということで、修学資金制度をテコに、さらに思い切ったことができるのではないかということでございます。それから切れ目のない在宅医療支援ということで、コーディネーターの養成とかいろいろなことを考えております。
子どもの貧困対策、障がい児を支える保育活動、あるいは言語聴覚障がいのある方に対する手話通訳の資格を取りやすくするための支援とか、いろいろなことを考えておりますし、高山の介護施設では残念な事例がございましたので、これを踏まえた事故防止対策の強化ということも考えております。それから国民健康保険が県単位になりますので、これをスムーズに制度的な移行をやっていくということも大事なことだと思っております。
 それから健康づくりは、「ねんりんピック」を一つのターゲットとしていろいろな事を積み重ねていこうと思っていますし、野菜ファーストプロジェクトとかですね、健康ポイントプロジェクトとかですね、県民あげての健康増進運動をやっていこうということでございます。
 それから危機管理といいますか、災害に強い県土づくりという意味では、これまでにやってきたいろいろな被害想定の見直しを改めてやるとか、あるいは備蓄品の配備をさらに充実するとか、あるいは、いざという時の支援体制をあらかじめ工夫・強化しておくとかいうこともございます。県庁舎の再整備も、この災害に強いインフラ整備の一つに挙げられるかと思っております。それから鳥インフルエンザを踏まえた家畜防疫対策、瑞浪の産業廃棄物の問題を踏まえた不適正事案を防止するための監視の強化とか、そのようなことも織り込んでおります。
 それから自然と環境という意味では、先程の繰り返しとなりますが、中部山岳国立公園への対応、それから、ぎふ食べきり運動、食品廃棄物の削減運動であります。それから、ネットワークインフラでは、先般、期限とかいろいろな支援策も出てまいりましたけれども、東海環状道西回りを着実に進めていくと、また、そのアクセス道路の環境整備をやっていくということ。それからリニア中央新幹線を睨んだ地域づくり、環境整備等々ございます。いろいろ申し上げましたが、そういったことについて、お手元のその次の資料に、それぞれ予算や概要が書いてございますので、ご覧いただければと思います。

 次が、組織の見直しでありますが、資料のIIIでありますが、「平成30年度組織の見直し」というA3縦長の紙がありますが、それを開けて見ていただくと、一番下の所に全体概要というものがありますが、知事部局というところで、今回は大幅な変更はありませんが、かなり実務的なというか、いろいろな課題に丁寧に対応していくという意味での見直しということになっておりまして、部の変更もありませんし、部内局の変更もありませんし、課・室・事務局のベースでは4増0減ということで、地域振興課、ねんりんピック推進事務局、国民健康保険課、国際交流課と、今申し上げましたような政策展開を念頭に置いて、それぞれ4つの課を新たに作ると。このうち地域振興課については、下にあります移住定住まちづくり室を拡充したものでありますし、国民健康保険課は、これまで国民健康保険室としてやってきたものを、正式に県単位で運営が始まりますので課に格上げするというようなことでございます。それから課内室。課内室というのは、特定期間、一定プロジェクトを集中的にやるために設ける、いわゆるタスクフォース的なセクションでございますが、これについては8増6減ということで、2室増えるということでございます。増と減はご覧いただきますと、大体今申し上げましたような政策展開を反映したものになっておりますが、このうち肉用牛振興室というものが減となっておりまして、飛騨牛銘柄推進室が増となっておりますが、これは先ほど申し上げましたように、再度日本一を狙うという戦略的な組織を作ろうということで、いわば拡充されるものでございます。
 それから現地機関としては、1箇所、飛騨食肉衛生検査所を新たに作りますが、これは飛騨牛の輸出がどんどん増えてきておりますので、それの食肉検査等を行う体制を飛騨の方に設けようという趣旨でございます。それから、何々監とか何々係とかいろいろ書いてありますが、これらそれぞれざっと見ていただければと思いますが、今申し上たところで抜けておりますのが教育委員会の体制でありますけれども、この上の方の「人づくり」と「生産性向上」の欄の組織の見直しのところ、上から6つ目に、教育委員会事務局に教育管理課を新設すると書いてありますが、これは新規でありまして、これは先般の郡上特支のケースを受けてですね、こういった情報の共有、それから事務処理のあり方、情報公開のあり方、それから第三者機関を作った際の事務局、そういった諸々の機能をこの教育管理課に持ってもらおうということで新たに作るということでございます。
 あと上の方は、人材育成策の意味合いでいろいろな人材確保対策をやっていこうと思っておりますし、もうちょっと下へいきますとIT関係でいくつか、IT・航空宇宙・成長産業というところでいくつか載っておりますし、オリ・パラについてはそれぞれ県産品なり、農産物を積極的にアピールするというようなことでございます。それから観光でいえば自然公園、これはまさに中部山岳国立公園の活性化でありますが、あるいは関ケ原のプロモーション、それから健康のところもですね、今の検査所、流通支援、これはオリ・パラに向けて県産品の売り込みでありますが、飛騨牛の銘柄というようなことであります。
 それから国際交流課は、まさに海外との様々な交流がこれから増えてまいりますのでそれを担ってもらおうということでございます。
それから、管財課に県有施設管理室を設けるとありますが、これはいろんな施設の修繕についてですね、専門家を一箇所に集約して専門的な対応をやりやすくするということで、事務事業の見直しの中で職員の皆さんから特に出てきた意見を踏まえたものでございます。そんなところが今回の機構改革でございます。きめ細かに、政策展開に対応した体制にしていこうということでございます。

 最後に資料のIVでありますが、事務事業の見直しということで、これは、今年度、平成29年4月から9月にかけて、事務事業の棚卸しをやりまして、事務の見直し、事業の見直しをやってきたわけでありますが、9月に方針を策定してその見直しをやってきたということで、それを今回予算にも反映しているというわけでございます。
 2ページを見ていただきますと、上の方の表が事務見直しの状況でありますが、平成29年度末の見直しという欄の対応済が199件ございます。あと長期的なものが残っておりますが、この199件について、時間短縮の効果とありますが、これを実行に移すと20.3万時間、職員一人当たり、年間48時間、一日当たり12分の時間短縮になるという計算で、引き続き、更にまた見直しをやっていきますけれども、絶えず、当たり前のことといえば、当たり前のことなのですが、今やっている事務のあり方については見直していこうと。それから、事業の見直しについては、一番右の方の合計をみていただきますと134の事業の見直しをして、約5億2千万強、捻出をしたということでありますが、このうち3.5億は見直しをしたあとの、改善のための経費、それから残りの1.7億は、完全に新規の財源として新しい行政課題に取り組むための財源として活用していくということで、これも事業見直しとして一定の成果をみたということでございます。
 1ページに戻りますと、今後は、更に事務事業見直し推進本部を中心に、継続的にやっていこうということで、職員が自ら自律的に考えて、柔軟に対応できるような組織風土づくりにつなげていければということでございます。私のほうからは以上でございます。

記者

 来年度の予算で、今年度の予算との違いというか、特に今年度よりここに力を入れたというものがあれば、教えてください。
知事  深化と挑戦という言葉にありますように、今、申し上げましたけれども、人づくり、あるいは第4次産業革命、こういったところについて、各テーマ別といいますか、産業別といいますか、ジャンル別といいますか、丁寧に対策をひとつひとつ積み上げてきたというあたりが、一つですね。それからやはり、東京オリンピック・パラリンピックを一つのチャンスとして捉えて、あらゆる角度からこのチャンスを活かすということで、観光戦略であれ、文化戦略であれ、ブランドづくりであれ、そこに焦点をかなり当てて、対策を考えているというところが二番目。それから高山の介護施設でのケースでありますとか、瑞浪での不適正な産廃処理でありますとか、あるいは、鳥インフルエンザの経験でありますとか、更には、郡上特支の経験でありますとか、そういった諸々の昨年生じた出来事の中で我々として反省をし、更に危機管理力を強めるべきところについて、丁寧にですね、組織も予算も施策も目配りをしたといった点が、今回の予算の中で心掛けた点ではないかと思っております。
記者  予算全般をご覧になって、先ほどメリハリというお言葉もありましたが、県債については減少ということですし、残高も減少してきているという中で、今回の予算編成のやりくりを通じての手ごたえはどうでしょうか。
知事  予算の大きな枠を考えるときに、もちろん、政策の積み上げが一方であるのですが、中長期的なトレンドの中で持続可能な、安定的な財政運営ができるのかどうかということは、私どもとしては片時も忘れてはいけないことで、かつて、気がついてみたら、とんでもないところに行っていたと、それで起債許可団体にもなりましたし、全国ワースト3にもなったということで、そういうのをある程度、先を読みながらですね、組み立てていくという視点も大事ではないかと思っておりまして、見ていただいたのは過去から今日にいたるトレンドなのですが、と同時に先々のトレンドも考えないといけない。もちろん、カチッとした見通しみたいなものは、今の時点ではなかなか作るのは難しいですけれども。地方予算の難しさというのは、何をしないといけないか、何をしたいかという予算の組み立てもあるのですが、国の制度として、これは必ずやらなきゃいけないとか、こういうふうにお金を積まなきゃいけないとか、それに財源が必ずしも全部付いてくるとは限らない場合もありますし、あるいは、国のシステムが変わるとそれに要する予算が大幅に変わってしまうということもありますので、あまり、カチッとした見通しは立てられないのです。けれども、今回特に意図しましたのは、先々のことで言うと県庁舎の建て替えですね。この県庁舎の建て替えを中長期的にきちんと吸収していけるような持続可能な財政運営という中で対応していけるようなこととか、それから、それこそ長寿命化計画ということで申し上げましたけれども、インフラの老朽化というのが、全国どこでも大きな問題になっているわけなので、その長寿命化計画を作る中で、優先順位を見極めて、ある程度、安定的に一定の予算をそこに振り向けるということで、何とか老朽化対策をやっていけるという見通しも立てなくてはいけないということでありまして、それから個別の色んなビックプロジェクトもあるかもしれませんので、そういうものは、今どの程度見込めるかとかですね、そういうことをずっとやってきますと、庁舎については、半分位は貯金でまかなうという形が見えてきましたので、後半分を、3年4年で分散してやっていけば、その分を飲み込んでいくというのは、なんとか懐の中で可能ではないかということです。長寿命化計画については、デコボコの極力少ない形で運営していこうということで、加減させていただいたということです。あとは、構造的な問題でよく言われる、社会保障の問題ですけれども、仮に消費税が上がるようなことがあって、そしてまた、社会保障を更に強化するということになると、社会保障費のウェイトが更に高くなっていくわけでありまして、しかし、これは、制度論としては、国の制度として、交付税なり、また、どうしても足りないときは、臨時財政対策債かもしれませんけれども、そこはみていただけるという建前に立てば、そこはそういうこととしてお願いをしていくということで、考えていくというようなことです。それから、公債費がこのところ右肩下がりで来てますけれども、これが無限に続くわけではありませんので、公債費が右肩下がりになった部分で、かなりいろんな新しい政策やいろんなことをまかなってきている部分があるわけですが、いつまでも続くわけではありませんので、どこかで横ばいないしは、景気対策やいろんなことで、県債を積んだ時期もありますので、少し増える時期もありますので、いつまでも公債費の減少だけに頼るわけにはいかないということも長期的には見込まないといけないということで、大まかな先々のイメージを持ちながら、今年度組み立てていって、この姿勢をこの後も、持続していけば、ある程度はいけるのではないかという、その辺までは、見極めながら組ましていただいたということでしょうかね。
 それからもう一つ申し上げておきますが、実質公債費比率が急速に下がりましたが、あれは実は臨財債は入っていないのです。臨財債は国が全部補てんすべきものであるということであって、県の責任で借金したわけではないということなものですから、国の実質公債費比率という定義においても臨財債は除くということですから、そう意味では急速に下がっていきますけれども、ただ、国も財政上厳しいわけですから、今後、臨財債の償還財源の確保がどのように行われていくか、当然いただけるものと思っておりますけれども、いろんなやりくりが行われるかもしれませんし、そこらへんは注意深く国とも議論していかなければならないと思っております。
記者  知事がかねてからおっしゃられている、第4次産業革命に対する対応の部分で、今回もかなり大幅に予算が付きまして、本格的に取り組むという姿勢を示す形になりましたが、本県におけるIoT、ICT、先端ロボットという点においては、全国的にどのような立ち位置にいて、更に先陣を切っていくという形なのか、追いつけ追い越せというスタンスなのか、そのあたりの知事の考えをお聞かせください。
知事  なかなかこれを全国的になんとかランキングのように一定の数字で並べて比較するというのは、なかなか難しいですけれども、IoTとか、ICTとかの産業革命を言うときには大きく2つあって、いわゆる先端的なところでどのくらい走っていられるかということと、やはり岐阜県の産業は圧倒的に中小企業、地場産業が中心ですから、そういうところのIoT化というかAI化といいますか、そういう導入を現場にどうやっていけるかという部分とに分かれるわけでありますけれども、先端的なところはIAMASとかソフトピアというところがこれまでやってきた蓄積があるのではないかと思っておりますし、いろんなところで賞をお取りになったり、優れた先生方もおられますし、注目をされていますので、これはこれで更に高いところを目指していただきたいと思っております。応用の部分は、やはり県民会議とか開きますと、どういうふうに応用していいのか、どう導入していいのか、わかりやすい支援の体制が必要だということを言われます。今回、新たに松島先生という方が、ソフトピアにおいでになりましたが、まさにその分野で色々とやってこられた方で、相当思い切って具体的な企業の導入支援みたいなところをやっておられます。ソフトピアであれば、コンソーシアムを作って情報共有というところから始めようかとか、IAMASであれば1年間でマスター(修士)がとれる社会人向けの専門コースを用意して学んでもらうとか、色々と工夫していただいておりますので、大いに期待をしたいと思っております。他県の一挙手一投足までは詳しくないので、比較するとどうかというところは、私もわかりませんけれども、岐阜県としてはかねてより力を入れている部分ですから、まさにソフトピアやIAMASの出番ではないかなと、成果を発揮するときが来たのではないかなと思っております。
記者  「清流の国づくり」が本格化ということで、知事は常々、実績にこだわっていくということをおっしゃっておられますけれども、例えば指標でみると、どの辺を注目して欲しいといった思いがあれば教えてください。
知事  必ずしも数字には限りませんけれども、例えば観光という意味で言えば、インバウンドなり、岐阜県に内外からおいでになる観光客の動きなり、そういうものがどういう風に変わってきているかとか、観光業界が新しいツアーを造成するといったときに、岐阜県がどのように評価をされているかとか、東京オリンピック・パラリンピックといったときに、例えば、岐阜県の県産材なり岐阜県の食材が、どこにどのように使われていくかとか、岐阜県の文化事業がどういう形でオリンピック・パラリンピックなり、国の文化事業の一環として評価されるかとか、そういういろんな定量的なものもありますが、そういったことで、人が動いていくというか、情報が動いていくというか、関心を集めていくというか、いずれどこかで集約した格好で整理したいとは思っておりますが、今は、関ケ原にしても何にしても、とにかく走れるだけ走れと、関ケ原もとにかく毎年毎年、今年はどういう企画でどういう人を呼んで、「真田丸」か、今度は映画の「関ヶ原」とタイアップするか、今度は何かとやっておるわけです。今年は夜の関ケ原ということで新機軸を出したいと思っておりますけれども、とにかく今は走れるだけ走る。それから関ケ原もいよいよビジターセンターの基本設計が、ほぼまとまりましたので、いよいよ本格的な、実施設計から工事にかかりますので、そういうものができてきたときに、どれだけの人がおいでいただけるとか、いろんな切り口があろうかと思いますので、どこかで整理はしたいと思っておりますが、今はあらゆるエレメントで、走れるだけ走るということです。
 それから、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館も、つい、このあいだヨーロッパからのお客様も見においでになる、オープニングに来たいということで案内がありましたし、いろんな所で関心が集まってきているものですから、これも岐阜県のというよりは、日本国の代表的なものとしてアピールをしようと思っております。
 それから、「半分、青い。」の視聴率も気になるところですね。どれだけ皆さんにみていただけるかとかですね、いろいろとそういうことを気にしながらやっておりますが、どっかでまた一回整理させてください。今日の時点ではまだ、これとこれとこれというようなことは、まだ言いにくいところです。
<外部リンク>