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知事記者会見(平成29年8月24日)

記事ID:0016415 2017年8月28日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成29年8月24日(木曜日)15時00分

司会

 それでは、知事定例記者会見を始めます。
 本日の、発表項目の1つ目としまして、岐阜県石油商業組合との「災害時における石油類燃料の供給に関する協定」の締結式を行います。そのため、本日は、岐阜県石油商業組合理事長の澤田栄様、同じく組合の顧問であります猫田孝様、平岩正光様にご同席をいただいております。どうぞよろしくお願いします。
 この後の進行でございますが、まず、協定書の締結、署名をしていただいた後、記者の皆様からの写真撮影の時間をとらせていただきまして、その後、知事から協定締結に至るまでの簡単な経緯をご説明いただき、それを受けまして、澤田理事長様からご発言をいただき、その後、記者の皆様から質疑応答という手順で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、協定の締結に入らせていただきます。理事長と知事にはお手元の協定書にご署名いただき、署名が終わりましたら、協定書を交換していただきますようお願いします。それでは、お願いします。

 ありがとうございました。それでは、写真撮影に移らせていただきます。
 大変お手数でございますが、4人の皆様にはお立ちいただきまして、真ん中に寄っていただくような形でお願いします。介添えの者がご案内いたします。また、澤田理事長は協定書をお持ちください。少し寄っていただいて撮影に応じていただきますようお願いします。

 <撮影>

 ありがとうございました。ご着席ください。
 それでは、知事お願いいたします。

知事  それでは、私の方からまず経緯等について説明させていただきます。改めて、本協定を締結いただきました、岐阜県石油商業組合の澤田理事長をはじめ、顧問の猫田県議、平岩県議、他多くの関係者の皆様方に感謝申し上げる次第でございます。
 この協定につきましては、東日本大震災をはじめとして、近年大規模災害が頻発しておるわけでございますが、改めて検証してみますと、災害時における石油類燃料の供給の重要性がこれまで以上に認識されてきているということでございます。
 これまでも、県石油商業組合さんのほうでは、災害対応型給油所の整備ということで色々と努力をしていただいているわけでございますが、今後、県とも連携をして災害時の燃料供給体制を更に強化していくということで、もともと平成14年9月にこの手の協定はございましたけれども、この際、改定を行うということで、今日に至ったわけでございます。
 改定のポイントでございますが、まず第1に、災害時の緊急車両等への燃料優先供給を円滑・迅速に行えるよう、組合において、自家発電設備等を備えた災害対応型給油所の整備・維持を更に推進するということでございます。
2番目が、平時から県と石油商業組合が相互に協力して行うということでありますが、例えば、災害発生時に燃料の供給拠点を担う、あるいは供給対象となることが予定される施設といったものについて、互いに平時から情報を共有して、定期的な防災訓練をやっていこうというようなことが挙げられるわけでございます。あるいは、県と石油商業組合が連携をして、県民向けの、いざというときの燃料供給についての体制について、啓発活動を行っていこうということでございます。
 具体的には、この9月3日に「岐阜県総合防災訓練」を予定しておりますけれども、その一環として、組合に対して燃料供給を要請するに至るまでの一連のシミュレーションを行うことにしております。
 また、10月には「岐阜県緊急対策チーム図上訓練」を行うことにしておりますが、そこでも、実際の車両を使った燃料供給の実動訓練を実施しようということで、予定いたしております。
 引き続き、関係者の皆様のご協力をいただきながら、安全・安心な「清流の国ぎふ」づくりに取り組んでまいりたいということでございます。よろしくお願いします。
司会  ありがとうございました。
 続きまして、澤田理事長さんお願いいたします。

澤田理事長

 岐阜県石油商業組合の澤田でございます。
 本日は「災害協定」を締結いただきまして、古田知事をはじめ、当組合の顧問をしていただいております猫田県議会議員、平岩県議会議員、他関係各位に心から感謝を申し上げます。
 また、県民生活のインフラを守るという、当組合としての使命、責務を感じているところです。
 石油販売業は、少子高齢化ですとか、自動車の燃費向上による需要減、並びに慢性的な価格競争等で、ガソリンスタンドの数は平成6年のピークには、6万ヶ所を超えていたわけですけれども、現在3万1千ヶ所ということで、半減しております。
 そのような環境下ではありますが、災害発生時の停電に備えて、県内の57ヶ所に自家発電装置を設置しております。今後4年間で、災害対応型給油所として、更に160ヶ所に自家発電設備を設置していく予定にしております。また、県および関係機関には、平時より、組合を通じ安定した燃料供給が行われますよう配慮いただきまして、連携を更に強化し、災害時の円滑な燃料供給ができる体制を築いてまいりたいと考えております。
 さて、当組合では、9月1日から、全石連と連携いたしまして、「満タン&灯油プラス1缶運動」を実施・展開してまいります。
東日本大震災において被災した東部地域はもとより、関東全域で給油所店頭が大変混雑をいたしまして、燃料供給に支障が生じたということであります。全国のガソリンスタンドのタンクの容量は100万キロ程度でありまして、自動車の燃料タンクの容量は、合算すれば250万キロを超えると推定されております。このことから、車の燃料タンクは日頃から満タンにしていただくことを呼びかけて災害時にも混乱しないよう日頃の心構えの大切さを訴えてまいりたいということでございます。
 県下591ヶ所の組合加入の全給油所及び県内施設に、後ろの「のぼり」等を掲出いたしまして本運動の実施・啓発を進めてまいります。今後も、関係各位のご協力をいただきながら、県民生活の安全・安心の確保に取り組んでまいります。マスメディア各位の皆様には、本運動の取組みを県民の皆様にお伝えいただきたくお願い申し上げます。
司会  ありがとうございました。今回の締結に関しましてご質問をお受けしたいと思います。
記者  災害対応型給油所の確認ですが、今後、増やすのは、これまで無かった3番の住民拠点サービス給油所を新たに設置するということでよろしいでしょうか。1,2はこれまでどおりということでしょうか。

澤田理事長

 同じ機能を有しているものですけれども、呼び方がそういう形(3)のところで増やしていくということでございます。
記者  災害時の要請の基準としては、県から組合さんの方へ連絡が行って、そこから組合さんが各給油所に連絡をして供給するという流れでよろしいですか。

澤田理事長

 そうです。災害に応じて、初期のところでは、やはり混乱が避けられないと思いますので、そこで組合員のところの被災状況等、在庫の状況等、情報を確認したうえで、県と連携をとりながらスムーズな燃料供給をしていくということでございます。
知事  今の、ご質問の関係でいくと、県の方も積極的に、必要に応じて要請を出していくわけでございますけれども、例えば、予め順番を決めているわけではありませんけれども、災害拠点病院とか、市役所とか、その他諸々の防災拠点、あるいは、防災拠点を行き来する車両とか、緊急車両とか、パトカーとか消防車両とか、そういったものに対する優先的供給をお願いするといった、そういうイメージで考えていただけるといいかと思います。
司会  以上をもちまして、協定締結式のほうは、終了させていただきたいと思います。澤田理事長、猫田顧問、平岩顧問はここで退席されます。ありがとうございました。
知事

 私の方からは、2点ご報告したいと思います。
 1つは、『天下分け目の関ケ原』ということで、この秋に、東西対抗の「人間将棋」を関ケ原でやろうと計画していたところでございますが、将棋連盟とご相談をして、出場棋士が決定いたしましたのでお伝えする次第でございます。
 まず、東軍の棋士につきましては、将棋界の八大タイトルの中で最も長い歴史を持つ名人位のタイトルをお持ちの佐藤天彦名人。名人になるためには最短でも5年間にわたって順位戦を戦い抜いて、挑戦者の権利を得ることが必要ということでございまして、いわば、最強の棋士を決めるタイトル戦とも言われております。そのようなタイトルを今、2期にわたって保持しておられます佐藤名人は、いわば、現役最強の棋士ということで、東軍代表でおいでいただくということでございます。
 西軍につきましては、山崎隆之八段においでいただくということでございます。八大タイトルこそまだ獲得されておられませんけれども、今年から八大タイトルの一つとなりました叡王戦で、2年前に優勝しておられまして、初代叡王になっておられるなど、諸々の棋戦優勝6回を数える強豪棋士でございます。ご案内のように、NHKの教育テレビで毎週日曜日の午前中やっております将棋番組「将棋フォーカス」では、まさに軽快、明快な語り口で司会をやっていただいているということで、将棋ファンの間では大変人気のある方でございます。
 この二人の出場棋士が決まったところで、参加者あるいは、駒になっていただく方々の募集をこれから開始いたします。東西対決ということでございますので、全国から40名の参加者を募集しまして、東と西に分かれて、対局に参加していただくということでございます。
この他にも「百面指し」として、同時に100の将棋盤で勝負を進めていただくということで、この二人に加えて、先般、「人間将棋」の開催をここで発表しましたけれども、その時に同席いただきました野月浩貴八段、それから佐藤慎一五段、藤森哲也五段、更には、室谷由紀女流二段、長谷川優貴女流二段の2人の女流棋士の参加が決まっております。
 これらの方々を囲んで、100名の方にこの「百面指し」に参加していただくということで、これも、募集を開始いたしますので、奮ってご参加をいただければと思っております。
 私どもとしては、1回限りの大会ではなしに、関ケ原の一つの定番の行事として毎年やっていきたいと思っておりますけれども、まずは第1回目を成功に導くことに全力を尽くしていきたいと思っております。

 次に、欧州における岐阜県の地域資源や世界遺産を活用したPRの実施についてということでございまして、8月30日来週水曜日から9月8日再来週の金曜日まで10日間、ベルギー、フランス、リトアニアの3か国を訪問することになりました。
 このところ、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、それぞれターゲットを定めて「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」をやってきておりますが、今回は県の世界遺産、あるいは地域資源を活かした欧州各国との関係、交流の強化ということでございます。
 まず、ベルギーにつきましては、ワーテルローにお邪魔しまして、昨年のアメリカのゲティスバーグに引き続きまして、世界三大古戦場の一つであるワーテルロー古戦場と関ケ原古戦場との間で姉妹古戦場協定を締結するということでございます。この締結式に出席することに加えて、武具の展示、甲冑の着付け体験コーナーなど、関ケ原古戦場のPRを現地でやってまいりたいと思っております。
 それから、次にフランスのアルザスにまいりまして、もともとアルザスのオ・ラン県とは友好関係にあるわけでございますが、覚書を調印してちょうど3年になりまして、これの更新といいますか、強化したいということでこの9月1日に就任される予定のオ・ラン県の県議長、フランスでは議長さんが実質知事の役割をやっておりまして、三権分立とモンテスキューの国で、三権分立とどういう関係があるのか、時々聞くんですけど皆さん違和感無いとおっしゃるんですが、私なんか議長やってそのまま知事やって予算とか提案して議長がやるわけでしょ、何か違和感があるんですが、違和感無いとおっしゃるんですが、新しい議長さんが着任されまして、色々と意見交換をやってきたいと思います。
 また、知事と称する人はいるんですがこれは国の出先の方のことを知事と言うんですね、これは国の仕事を現地でやるということでいわゆる地方行政とは違うものですから実質の地方行政は議長さんが知事の役割をやっているということなんです。
 交流ということで今回特に新たにですね、今、ガストロノミーウォーキングというのがひとつの流行になっておりまして、それぞれの土地を歩きながら、その地域に根差した食、さらにはその背景にある自然、歴史、文化等々の魅力に触れるということを目的としたある種のツーリズムと言いますか、ガストロノミー美食ツーリズムと言いますかね、こういうものがあちらこちらで起こっておりますが、日本ではこれに温泉をくっつけましてONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構というものが比較的最近できておりまして、このトップが私どもの森林文化アカデミーの涌井先生がトップに就任されておりまして、全国的な視野でやっておられます。一方、アルザスの方もアルザス観光機構というものがございまして積極的にこのガストロノミーツーリズムをやろうということでございますので、この両者が友好提携宣言をして、そして、まずは岐阜県の温泉、岐阜県の魅力をひとつの交流のきっかけに連携を深めようとこういうことで、今回お邪魔した時に、まずアルザスをみんなで歩くと、そしてアルザスワインをいただき、アルザスの美味しい食事をいただき、こちらから飛騨牛を持って行ったりする交流イベントでございますが、これに参加しようということでございます。
 このアルザスとの交流は、岐阜県とオ・ラン県、それからオ・ラン県の県都がコルマールというとても綺麗な街なんですが、このコルマールと岐阜県の高山市が協力協定、オ・ラン県にありますヨーロッパでもっとも美しい小さな村の代表格といわれておりますリックビルと白川村が交流をしておりますし、これは既に今もやっておりますが、今回新たにカイゼルスベルグ、カイザーの町、シーザーがあの辺まで行ったということにちなんだ名前なんですが、カイゼルスベルグという村というか小さな町と岐阜県の郡上市とが交流したらどうかということで接点を持とうということで、それから飛騨の地酒協議会とアルザスワイン街道とがお酒の交流をすることになっておりますので、そういうネットワークの中で交流を深めていこうと岐阜県のアピールをしていこうということでございます。
 それから、アルザスからパリにまいりまして、パリの方では、ひとつはユネスコ本部で「ユネスコJAPANウィーク」が行われるわけですが、ぜひ岐阜に日本の代表の一員として来てくれということで本県も出展をしてブースを持ってオープニングセレモニーに参加させていただくということで岐阜県の観光資源の魅力、それから飛騨牛、お酒、色々とですねアピールをユネスコ本部でやらせていただくのがひとつと、それから今まさに世界の記憶といいますか、世界記憶遺産に「杉原リスト」で手を挙げているところですが、ユネスコ本部の事務次長さんと面談をしまして、審査の状況でありますとか、「杉原リスト」の意義とかについて意見交換をしてきたいと思っております。
 そこからリトアニアに移りまして、今年はリトアニア側が初めて「杉原千畝ウィーク」という行事を大々的にやっていただけるということで、その行事の中の基調講演にトップバッターで私に来てくれということで、これにご招待いただきましたので行かせていただきますが、同時に日本のリトアニア議員連盟の会長が中曽根弘文さんでございまして中曽根さんも現地においでになるということでございますし、県庁にも八百津の役場にも置いてありますが、何ヶ所かに杉原千畝がおられた領事館の修復のための募金箱を置いてありますけども前回3万ユーロ持って行ったんですけども、その後、第2ラウンドで1万ユーロほど貯まりましたので使っていただこうとお持ちすることも考えておりますし、この領事館のリフォームに日本各地の左官さんの有志が集まって現地へ行って壁塗りをボランティアとしておやりになる。その他、有識者による講演でありますとか、コンサートでありますとか、レセプションでありますとか、非常に多彩な行事が一週間にわたって行われますが、こういうことをリトアニア側が積極的にやっていただけると、そしてまた世界記憶遺産への援護射撃、支援にもつながることでありまして大変ありがたく思っているところでございます。
 先般ご案内のように7月末から8月第1週に掛けて八百津で「千畝ウィーク」をやりましたけどもこの時にはサバイバーの方がおいでになって大変盛り上がったと聞いておりますけども、それから八百津のお子さんたちが現地へ行って子どもたちの交流もやっておりますし、来年の1月には岐阜の清流文化プラザで杉原千畝をテーマとしたオペラを予定しておりますし、いろんな形で交流を深めていきたいと、そういう中で世界の記憶遺産として確固たるものを得ていきたいなと思っているところでございます。同時に交流を進めていくうえで、カウナス市長さんとか、経済大臣、外務大臣はご不在だそうでございますので副大臣に面談とありますが、いろいろと意見交換をしていきたいということで、10日間でベルギー、アルザス・パリ、リトアニアと駆け足で行ってまいります。まさに岐阜県の地域資源、世界遺産を活かしたPRということでやっていきたいと思っております。
 それから、この道中で幾つかのフランスのレストラン、飛騨牛取扱店ということで認定していきたいと思っておりましてその辺りも準備をしている所でございます。私の方からは以上でございます。

記者  県内で大きな事案がいくつか進行しています。1つは瑞浪市の産業廃棄物の件、1つは高山市の介護老人保健施設での件です。この2件に関する知事の所感を伺えればと思います。
知事  今ご指摘のある2点について、まさに全国区で報道もされておりますし、大きな関心を呼んでいるところでございます。私どもも、重要な、いわば危機管理の案件ということで、精力的に取り組ませていただいているところでございます。
 瑞浪の案件につきましては、局所集中豪雨が1つの引き金になっているわけですが、いつ何時、こういう局所集中豪雨がどこに来るかわからないと、こういう時代の中にあって、それが引き金となって、産業廃棄物の存在が明らかになったということでございます。こういう危機管理案件は、常に、まず事実関係、真相の解明ということと、当面やるべき措置は何かと、あるいはそのテーマに関連するルールなり、規制なり、そういったことについてきちっと守られていたのかどうかという問題でありますとか、ある程度、見定まってきたら再発防止対策にまで手を伸ばしていくと。あるいは、ここで起こったことは、よその地域で、類似の地域で、類似の事例はないのだろうかということにも、精査をして万全を期していくという流れになろうかと思います。瑞浪の案件につきましては、当事者も違法性について認めておられますので、今日も県警が朝7時から捜査に入っておりますけれども、これから真相の解明が進んでいきますが、概ねその辺りの責任の所在なりは、見えてきているわけです。道路の土砂撤去は終わりましたし、瑞浪市が下流の所の処理をしておりますし、私どもは崩れた所のブルーシートを始めとした応急措置を急ぐということで、概ね目途がたってきたということでございます。まず、その応急措置についてきっちりやるということと、もちろん県警とも連携をとりながらさらに事実関係の解明をしていくということと、それからまだ、上の方に廃棄物があるわけですから、完全撤去と言いますか、これをやっていただく必要がありますし、先ほど申し上げましたとおり、類似の事例が、この同じ企業の他の工場なり、なんなりでないかどうか。あるいは、類似の業界で似たようなことがないだろうかとか、そういったことについても、今手を伸ばし始めているところです。一通り、検証が終われば再発防止策、それから責任に則った行政処分になろうかと思います。そういったところに来ていると思いますが、おそらく違法な処分がされたということでありますので、これ自体遺憾なことでありますし、改めて産業廃棄物の処分の問題について、もう1回引き締めていく必要があるのではないかと思っております。
 もう一つの、高山の案件ですけれど、高齢者福祉とか色んなことが言われている中で、老健という施設の信頼関係を大きく損ないかねないような出来事でございまして、そういう意味でも全国で高い関心を持っておられるのではないかと思っておりまして、これも非常に残念なことであると思っております。こちらの方は、まだまだ解明しなければならない点が多々ございまして、5つのケースそれぞれについて、何がどうだったのかと。認識が分かれている部分もありますし、まだまだ丁寧に証言を求めなければならない点もあるわけであります。県警も特別捜査本部を設けてこれから精力的にやっていかれますので、私どもの立ち入り調査と県警との間で連携をとりながら、できるだけ速やかに解明を進めていきたいということでございます。
やはり、これまでずっとやってきた中で感じておりますのは、そもそもこれが、病気であったのか、事故であったのか、事件であったのかということについて、そこをまずきちんと見極めなければならないわけでありまして、そこの辺りが先ほどの産廃の投棄とは違って、5つの案件について1つ1つ、きちっと見定めなければならないということと、こういうような事態が起こったときに、どうあるべきかということについては、条例があり要綱がありマニュアルがありルールがあるはずですから、どうもそれが十分徹底されていなかったのではないかと、報告のあり方、報告書のあり方、あるいは事故分析委員会、あるいはリスクマネジメント委員会、色んな手順や仕組みはあるはずなのですが、どうも迅速に徹底した対応が行われていたかどうか、必ずしも不透明なところがまだ残っております。そういった点を解明しながら、今のルールのままでいいのか、もっと強化しなければならないのか、見極めていきたいと思っております。それから、この老健で起こったことが、他の老健では大丈夫なんだろうかとか、いうことも改めて全県的に緊張感を持ってチェックする必要があると思っております。これは、まだやるべきことが多々ございますが、非常に大きな信頼関係の問題に関わることでありますので、できるだけ速やかに進めていきたいと思っております。
記者  中央道に絡むことですが、瑞浪市のほうでは撤去にかかった経費については業者側に請求するといわれておりますが、県としては現時点でどのようにお考えでしょうか。
知事  この行為がどういう行為であって、法令上どう位置づけられるかということから、責任論もでてくるわけであり、それを見極めたうえで、それに則してやっていくということで、責任は、工場側に違法行為についての責任があるということが断定できれば当然その責任ということで追及されていくのではないかと思います。それは、県にとっても市にとっても同様であると思います。
記者  瑞浪の件ですけれども、この件が、県の大きな産業の一つである「窯業」において、東濃においてかなり基幹的な産業ですが、このような事態が起こったことについて、どのようにお考えですか。
知事  先ほど申し上げましたように、同じ業種・業界で同じようなことがどこまで行われているのか、行われていないのかということをチェックしようということを申し上げましたけれども、まさにそういう問題意識の表れでありまして、私どもとしては、これをただ1個の事件と考えるのではなしに、徹底的にそういったことまで含めて調べたうえで、必要な処分なり再発防止策なりですね、あるいはルールの強化なりをやっていきたいという思いでございます。
記者  話は変わりますけれども、ワーテルローとの協定についてですけれども、具体的にはどういった内容を盛り込み、知事としてはどういう意気込みでこの協定式に臨むお考えでしょうか。
知事  一昨年になりますかね、世界古戦場サミットというものを提案させていただいて、ワーテルローの代表の方、ゲティスバーグの代表の方にもおいでいただいて、世界古戦場サミット共同宣言というものを出したんですね。その宣言のポイントは3つありまして、言葉の表現は別として、趣旨として、一つは古戦場を大切に保存しようと、古戦場の保存を大切にやっていこうと。それから2番目がですね、歴史に正面から向き合おうと、人々の歴史意識を高める一つのよすがになればという思いであります。3番目のステートメントは、戦争と平和を考えようということであります。
 三大古戦場がそういう3つの問題意識を共有して世界へ一緒になって発信していくということをある意味誓い合ったわけでありまして、そういう流れの中で、昨年のゲティスバーグでありますと岐阜県から甲冑や刀を持っていきましたけれども、ゲティスバーグでそういった関ケ原の展示をやり、アメリカの方々に古戦場としてのそういう問題意識、つながりを知っていただくということをやらせていただいたのですけれども、ワーテルローとも同じように、そういう文物の交流、あるいは人の交流といったことをこの協定をきっかけにやっていきたいと思っております。さっきの3つのポイントで、あらためて三者で集まって何か共通のアクションをとるかどうかについては、またこれからいろいろやっていくなかでアイデアも出てくるのではないかと思います。
記者  今月に、文部科学省が東京23区の私立大学の定員増を認めない方針という話を出しましたけれども、これに関して岐阜県知事としての受止めと、岐阜県にどういう影響があるかといったことをお伺いできますか。
知事  この議論は、昨年の知事会、それから昨年の総理官邸での総理と知事との意見交換会、それから今年に入ってからの骨太方針の閣議決定、それから来年度予算の重点事項の政府の発表、そして先般岩手県で行われました全国知事会と、こう一貫した流れの中でこの問題は議論してきているところでありまして、東京一極集中といろいろ言われておりますけれども、第二次大戦後ですね、いまだに一貫して右肩上がりで人口が増え続けている。そして人口のシェアが増え続けているというのは、世界広しといえどもおそらく東京だけではないかと、日本の首都だけではないかというようなことがひとつ。それから東京の人口が増えている中身を見てみますと、増えているほとんどが18歳から29歳までの若者ということで、若い人がどんどん東京へ行って、そして東京の出生率は全国で最低ということですから、人口減少、少子化の中で問題をますます悪化させているということでございます。
 その一つのきっかけが、工場等制限法という法律が昭和30年代に制定されて、工場等の「等」で大学を読んでいるわけですね、工場・大学といった施設を首都圏から外に持っていこうということをいろいろやってきた中で、平成14年にこの法律がなくなりまして、首都圏から一旦外へ出た大学が急遽また都心に戻ってきたということで、このところまた、大学の都心回帰が起こっていると。そういう状況であるにも関わらず、毎年の新規の大学の定員増の半分は東京23区の大学に割り振られているということですから、一極集中がどんどん悪化する方向へ、悪化する方向へと政策的にも実態的にも進んでいるということで、これはなんとかしなければいけないのではないかと。もちろん地方の大学の受け皿としての魅力を高めなければ意味がないわけでありまして、一方でそういった努力をしながら、せめて定員増の割振りにあたって23区については抑制するという方向でやったらどうだろうかと。
 こういうことで議論してきたわけでありまして、その一環として、今回文科省が告示の改正案を出してきたということでございます。ただ、内容を見てみますと、すでにある程度といいますか、意思決定なり対応が進んでいる部分については例外扱いするようなことになっているものですから、その結果、今年の6月の配分も4割が東京23区にいっているわけですね。というようなことで、私どもとしては、どこまでこの告示の改正が実効あるものとして進めていかれるか大いに関心を持ちながらフォローもし、また、意見も言っていきたいと思っております。
 これらの点についてはですね、先般、知事会が終わった後、各関係大臣の文部科学大臣、総務大臣にお邪魔させていただきましたけれども、この点については強く申し入れさせていただきましたし、そこは十分理解をしているんだという返事はいただいておりまして、要は、実効ある仕組みになっていくかどうかというところを私どもとしては注視しているということであります。
記者  高山の件で先ほどの発言のご意思を確認したいことがあります。マニュアルやルールが徹底されていないのではないかと知事はおっしゃっていましたが、これはどういうようなところででしょうか。5件のうちの一部が報告されていなかったりとか、そのあたりのことを指してのご発言でしょうか。
知事  報告漏れがありますし、それから、事故分析委員会ですか、これも定例会までは特に開かれていないというようなこととか、それから昨日になってリスクマネジメント委員会を開いたということでありますけれども、こういうものは、もう事態が起こったらすぐさまそういったシステムを動かして、そして、情報を、危機感を共有して組織としてあたっていくということが大事ではないかと思っておりますので、そういった意味で私どもとしては気になる点がいくつかあると。ただ、いずれにしても事実関係をきちっと明らかにしたうえでないと、例えば、結局これが病気でしたと、病気であったとすれば別に報告義務はないわけでありまして、ですから根っこのところに、病気なのか、事故なのか、事件なのかというあたりの真相解明と相まってではありますが、今、当事者の施設長さんも、事故性と事件性と両方の可能性があるとか、事件性の可能性が高まってきたとか、必ずしも根拠はよく分からないですけれどもそういうようなコメントを言っておられますけれども、そういうことだとすれば、相当速やかに動くべきところがあったのではないかと、今はそういう感想を持っているということであり、断定をするつもりはありません。これはもう、解明してきたところで最終的にきちっとそこは整理をして、ルール変更なり処分なりを考えたいと思っております。
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