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飛騨地域北部の歴史的土木構造物
飛騨地域北部は、東に乗鞍岳、穂高岳をはじめとした山々が連なり、西に白山連峰を有する全国屈指の山岳地帯。河川水系は神通川水系の宮川、高原川流域及び庄川水系の庄川流域があります。
急峻な地形が多く、住民の安全を守るための砂防えん堤群が数多く存在します。
今回は、飛騨地域北部にある歴史的土木構造物について、その歴史や技術を見ていきましょう。
※掲載されている「ぎふ歴史的土木構造物」がある場所は、ほとんどが観光地ではないため、見学に際しては十分安全にご注意ください。
所在市町村 | 完成年 | |
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藤波橋 | 飛騨市 | 昭和5年 |
宝橋 | 飛騨市 | 昭和10年 |
蟹寺発電所取水えん堤 | 飛騨市・富山県富山市 | 大正14年 |
中北堤防 | 飛騨市 | 明治44年 |
平瀬発電所 | 大野郡白川村 | 大正15年 |
足洗谷砂防えん堤 | 高山市 | 昭和9年 |
桑谷砂防えん堤群 | 飛騨市 | 大正10年 |
藤波(ふじなみ)橋
飛騨市神岡町を北へ縦断する高原川に架かる橋。昭和5年に地域住民待望の永久橋(鉄橋)として竣工。その後、東側には信号が設置され、歩行者の安全確保のため歩道橋が併設されるなど、周辺環境も変わってきている。橋の上流には景勝地として知られる「藤波八丁」があり、四季折々の風情が素晴らしく、秋には紅葉を楽しむことができる。
【所在地】 | 飛騨市神岡町朝浦から東町 |
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宝(たから)橋
1930年頃スイスで活躍した橋りょう技師マイヤールが考案した近代的構造(マイヤール型)を採用した、昭和初期における国内唯一のマイヤール型RCアーチ橋。
当時の最先端工法であり、従来型の橋りょうと比べ経済性に優れた構造となっている。
【所在地】 | 飛騨市神岡町鹿間 |
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蟹寺(かにでら)発電所取水えん堤
富山県富山市蟹寺に位置し、約11キロメートル上流にある飛騨市宮川町打保地内の取水えん堤から取水する水路式発電所。
大正14年に竣工。重量式で表面石張りコンクリートダムは現在稼働中の水力発電用の取水えん堤としては珍しい。
魚道、流水路、土砂吐や両岸の護岸工などあらゆる部分に表面石張り工法が施されている。
【所在地】 | 飛騨市宮川町打保 |
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中北(なかきた)堤防
明治44年に長さ約250メートル、幅約20メートルの大改修を行い、玉石積堤防として完成。
その後、幾度の大雨による決壊や補強工事により、コンクリート造りに改修され現在に至る。
【所在地】 | 飛騨市古川町弐之町から三之町 |
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平瀬(ひらせ)発電所
日本の電力王と呼ばれた福澤桃介に相談して、大正6年に工事用発電所として大白川発電所という名で建設。大正15年に平瀬発電所に改称後、営業運転を開始し、現在に至っている。庄川水系に存在する発電所の中で最も古い発電所。
建物自体は当時のままで、付近には建設当時、安全祈願のために建立された平瀬発電所白山神社がある。
【所在地】 | 大野郡白川村平瀬 |
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足洗谷(あしあらいだに)砂防えん堤
足洗谷上流標高約1250メートルに、昭和7年9月から同9年11月にかけて、足洗谷筋における最初の砂防えん堤として、練石積コンクリート造りの第一えん堤が竣工。
その後、下流部に第二号・三号が竣工。
足洗谷第一号砂防えん堤は、70余年にわたり要の砂防えん堤として役割を果たし、足洗谷を守り続けている。
【所在地】 | 高山市奥飛騨温泉郷中尾 |
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桑谷(くわたに)砂防えん堤群
大正10年までに高さ4.5から7.3メートルの空石積えん堤14基が設置され、比較的堤高の低いえん堤が、段々に水を流し河道を安定化させている。
周囲は植生がよみがえり、周囲の景観に砂防えん堤が見事に調和している。
【所在地】 | 飛騨市宮川町桑野 |
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