ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

水質対策

水質対策

水道を取り巻く様々な水質問題への取り組みについて、掲載しています。

水質問題への取り組み

1:水質汚染事故対策

水質監視

水源の水質監視

 東部広域水道事務所では、中津川浄水場上流の牧尾ダム及び木曽川水系の河川水、山之上浄水場上流の岩屋ダム湖及び飛騨川水系の河川水、並びに川合浄水場の上流の阿木川ダム湖及び木曽川水系の河川水について、定期的に水質検査を行っています。

浄水槽の水質監視

 職員による水質監視の他、水質自動監視計器による水質監視、魚類による原水及び浄水の水質監視を行っています。

水質汚染事故時応急体制の整備

連絡体制

 水質汚染事故発生時に、関係機関と相互に連絡を取り合い、迅速な対応ができるよう、水質汚染事故連絡体制を整備しています。また、水源の汚染事故発生時に、上流域の環境部局、消防、発電所等から必要な情報が得られるよう、依頼しています。

水道事故対策マニュアルの整備

 水質汚染事故時に迅速な処置ができるよう、オイルフェンス、油吸着剤、活性炭を常時備蓄しています。

2:消毒副生成物対策

消毒副生成物とは

 消毒副生成物は、原水に含まれるわずかな有機物と、浄水場において消毒のために用いられる塩素が反応して生成される物質で、発がん性があるといわれています。消毒副生成物には、トリハロメタン(クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム)、ハロ酢酸(クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸)、ホルムアルデヒド等があり、水質基準値が定められています。水質基準値は、生涯水道水を飲み続けても健康に影響が生じないような安全性を考えて設定されています。

消毒副生成物対策

 消毒副生成物は、水温が高くなる夏季に多く生成されます。過去に、中津川浄水場ではジクロロ酢酸の値が、川合浄水場ではクロロホルムの値が高くなる傾向があったため、両浄水場において以下のような対策を行っています。

前塩素注入量削減

 着水井での消毒薬品(前塩素=浄水場内の藻類発生を防止)の使用量を極力減らす努力をしています。原水中の有機物と反応する塩素の量を減らすことによって、消毒副生成物の生成量を低減する効果があります。

水質の監視強化

 きめ細かい消毒副生成物検査を実施し、水質監視を強化しています。
 これらの対策によって、東部広域水道事務所の水道水のトリハロメタン濃度は基準値の1/ 4以下、ハロ酢酸濃度は基準値の1/ 2以下まで低減されています。

3:クリプトスポリジウム対策

クリプトスポリジウムとは

 クリプトスポリジウムとは、寄生性原虫で、水道水を介した集団感染が世界各国で発生しており、問題となっています。クリプトスポリジウムは経口摂取により感染し、感染すると、腹痛を伴う下痢が1週間程度続き、嘔吐や発熱を伴うこともあります。患者の免疫機構が正常に働くと自然治癒しますが、免疫不全患者では重篤になります。クリプトスポリジウムは、水中では膜で覆われたオーシストの形で存在し、消毒薬品に対する耐性が強いため、浄水場では凝集沈でん・ろ過処理を行い、仮に原水にクリプトスポリジウムが入ってきても除去できる体制をとっています。

クリプトスポリジウムの落射蛍光顕微鏡像
​クリプトスポリジウムの落射蛍光顕微鏡像

クリプトスポリジウムのDAPI染色像
​クリプトスポリジウムのDAPI染色像

クリプトスポリジウムの微分干渉像
​クリプトスポリジウムの微分干渉像

クリプトスポリジウム対策

 浄水場において、クリプトスポリジウムを除去するためには、徹底した凝集沈でん・ろ過処理を行う必要があります。東部広域水道事務所では、通常時からこのことに充分注意を払って水処理を行っています。また、原水及び浄水について、クリプトスポリジウム検査を実施しています。これまでに、東部広域水道事務所の原水・浄水において、クリプトスポリジウムが検出されたことはありませんが、今後も監視を続けます。

4:ダイオキシン類について

ダイオキシン類とは

 ダイオキシン類はゴミの焼却や、自動車排気ガス、農薬等化学物質の製造過程などに生成される物質で、強い毒性があることで問題となっています。ダイオキシン類は、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、コプラナ-ポリ塩化ビフェニルの総称で、それぞれ多くの異性体があり、それぞれ毒性の強さが異なります。ダイオキシン類は水に溶けにくい性質を有していますが、水道水では、毒性等量に換算して、目標値が1pg-TEQ/L以下(暫定値)に定められています。目標値は、生涯水道水を飲み続けても健康に影響が生じないような安全性を考えて設定されています。

 
<参考>
pg(ピコグラム): 1兆分の1g
TEQ(毒性等量): ダイオキシン類異性体の濃度を、毒性の最も強い異性体濃度に換算し、その総和で表した値

ダイオキシン類調査

 東部広域水道事務所では、原水及び浄水中のダイオキシン類調査を、年1回実施しています。令和5年度のダイオキシン類調査結果は以下のとおりです。

調査対象

・中津川浄水場の原水及び浄水
・山之上浄水場の原水及び浄水
・川合浄水場の原水及び浄水​

 

採水日
中津川浄水場 原水:令和5年11月15日 浄水:令和5年11月15日から16日
山之上浄水場 原水:令和5年11月21日 浄水:令和5年11月21日から22日
川合浄水場 原水:令和5年10月19日 浄水:令和5年10月19日から20日

調査項目

・ダイオキシン類40種類

 
検査結果
中津川浄水場 原水:0.0018pg-TEQ/L 浄水:0.00052g-TEQ/L
山之上浄水場 原水:0.0060pg-TEQ/L 浄水:0.0015pg-TEQ/L
川合浄水場 原水:0.013pg-TEQ/L 浄水:0.0014pg-TEQ/L

上記結果のとおり、東部広域水道事務所の水道水のダイオキシン濃度は、目標値1pg-TEQ/Lに対して極めて低濃度です。

調査浄水場 試料名 令和5年度 令和4年度 令和3年度 令和2年度 令和元年度
中津川浄水場 原水 0.0018pg-TEQ/L 0.0026pg-TEQ/L 0.0027pg-TEQ/L 0.0024pg-TEQ/L 0.0013pg-TEQ/L
浄水 0.00052pg-TEQ/L 0.00055pg-TEQ/L 0.00058pg-TEQ/L 0.00065pg-TEQ/L 0.00055pg-TEQ/L
山之上浄水場 原水 0.0060pg-TEQ/L 0.0028pg-TEQ/L 0.010pg-TEQ/L 0.0023pg-TEQ/L 0.0056pg-TEQ/L
浄水 0.0015pg-TEQ/L 0.00071pg-TEQ/L 0.00052pg-TEQ/L 0.00072pg-TEQ/L 0.0013pg-TEQ/L
川合浄水場 原水 0.013pg-TEQ/L 0.0026pg-TEQ/L 0.0068pg-TEQ/L 0.0033pg-TEQ/L 0.0054pg-TEQ/L
浄水 0.0014pg-TEQ/L 0.00079pg-TEQ/L 0.0010pg-TEQ/L 0.00065pg-TEQ/L 0.00099pg-TEQ/L
<外部リンク>