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森林被害

森林被害について

森林病害虫等による被害

 松くい虫等の病害虫や野鳥鳥獣による森林被害は、森林資源の損失、森林の多目的機能の低下につながります。
 そのため県は、市町村が行う森林病害虫等の防除事業を支援しています。

松くい虫被害

1.松くい虫被害とは

 松くい虫被害は、マツノザイセンチュウという線虫によって引き起こされます。
 マツノザイセンチュウは、自力で他の松に移動することができないため、マツノマダラカミキリに運んでもらいます。
 マツノマダラカミキリは、衰弱した松や枯れた松でしか生育できないため、マツノザイセンチュウによって枯れた松は、格好の産卵場所となります。
 このようにマツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリは共生関係にあり、被害が拡大する原因となっています。

2.県内の被害推移

 県内の松くい虫被害は、昭和50年頃に発生、昭和53年度から県東部地域を中心に急激に増加し、昭和56年度に被害はピークとなりました。平成15年度以降、被害量は減少しています。

3.被害対策

 被害対策としては、被害を未然に防止することを目的とした「予防」と、薬剤等による殺虫を目的とした「駆除」を実施しています。
 「予防」には、薬剤を空中または地上から散布する方法や、あらかじめ松の木に薬剤を注入しておくことにより、マツノザイセンチュウの増殖を防ぐ方法があります。
 現在、岐阜県では住民生活等における環境保全の観点から、薬剤散布による方法は実施していません。
 「駆除」には、被害木を伐倒し薬剤を散布することで、材内の幼虫を殺虫する方法や同様に薬剤を散布後、シートで覆いくん蒸処理により材内の幼虫を殺虫する方法があります。

ナラ枯れ被害

1.ナラ枯れ被害とは

 ナラ枯れ被害は、カシノナガキクイムシが持ち込む病原菌であるラファエレア菌によって引き起こされます。

ナラ枯れ被害
(赤や白く見える樹木が枯死木)

2.県内の被害推移

 岐阜県では、平成8年に揖斐川町旧坂内村で初めて被害が確認されました。近年被害区域は拡大傾向にあり、平成26年度末現在では県下34の市町村で被害が確認されています。

3.被害対策

 被害対策としては、被害を未然に防止することを目的とした「予防」と、薬剤等による殺虫を目的とした「駆除」を実施しています。
 「予防」には、殺虫剤と粘着材を樹幹に塗布し、カシノナガキクイムシの穿孔を阻止する方法や、あらかじめ樹木に殺虫剤を注入しておくことにより、ラファエレア菌の繁殖を防ぐ方法があります。
 「駆除」には、被害木にくん蒸剤を注入して、材内のカシノナガキクイムシ及びラファエレア菌を殺虫する方法や、伐倒した被害木にくん蒸剤を散布後、シートで覆いくん蒸処理により材内のカシノナガキクイムシを殺虫する方法があります。

野生鳥獣による被害

1.野生鳥獣による被害とは

 野鳥鳥獣による被害には、クマやシカによる剥被害や、シカ、カモシカ、ノウサギ等による摂食害があります。

2.県内の被害推移

 被害量は年によって変動があり、明らかな増加・減少傾向がなく、常に被害にさらされている状況にあります。

3.被害対策

 樹幹にテープ巻きをすることによる剥皮防止や、防護柵や忌避剤による樹木の保護を実施しています。

クマ剥ぎ被害
 (クマによる剥皮被害状況)手前:クマによる剥皮被害右端:テープ巻きによる剥皮防止
このように、森林病害虫等から森林を守るために、様々な防除事業を展開しています。

火災及び気象災による被害

 林野火災は、毎年数十件発生しており、原因の多くがたばこの投げ捨て等による人為的なものです。特に空気が乾燥している時期に多く発生しており、県としても予防意識の啓発をはかるため、山火事予防運動(3月、4月の2ヶ月間)を実施しています。
 気象災としては、台風、積雪等により樹木が折れたり、倒れたりする被害が発生しています。

〈問い合わせ先〉
 森林被害を発見しましたら、お近くの農林事務所または県庁森林整備課整備係までご連絡ください。

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