みなさんこんにちは。受講者インタビュー担当の人材 育郎(じんざい いくろう)です。
ここんところ見事な秋晴れが続いていて気持ちいいですね。
9月末でスーパークールビズが終わり、育郎もラクーなポロシャツはタンスにしまい、ネクタイをきっちり締めてお仕事に励んでおります。
衣替えして気づいたのですが、育郎の体重が昨年の今頃と比べて10キロ近く増えていました。仕事用ズボンのチャックが閉められない!妻に「仕事用ズボンの買い換えによる執務環境改善・職務能率向上化事業計画」を作成して予算請求したら、即座に事業仕分けされて「痩せろ」の一言で終わりました。
天高く馬肥ゆる秋といいますが、これ以上肥ゆるわけにいかず、苦しいダイエット生活に突入しております。
と、関係ない話はこれくらいにして、今回は県立の職業訓練校、木工芸術スクール・建築コースでのインタビューを紹介します。前回、木工コースを紹介してから、ずいぶんと日が経ってしまいました。ごめんなさい。

いきなりですが、これ何だと思います?カンピョウの天日干しを作っているわけじゃないですよ。
建築コースのれっきとした訓練の1つで、木肌をカンナでいかに薄く削ることができるか、に挑戦しているんです。
技能の高い人が削ると、まるで天女の羽衣のように薄く、こんな感じに向こう側が透けて見えるのです。教官にムカついた時は、こっそり弁当箱のフタをあけて、かつお節代わりに、たっぷりかけてやるんだそうです。(ウソです)

ここ建築コースでは、建築大工になるために、日本の伝統的な「在来軸組構法」を勉強しています。

ノミとかカンナとか、

材木にまっすぐ線を引くための墨壺など、昔ながらの大工道具はもちろん、

こういう電動工具の使い方も勉強します。今ちょうど、電動のこぎりを使った実習の真っ最中ですね。
教官「ええか、木を送る時は、絶対のこ刃の延長線上に体を置くんでねえぞ。横に立つんやぞ」
訓練生「はいっ」
ギョイイイーン ギュインギュイン ギョイイイイイーン
教官「よっしゃ。ええぞ。その感じや」
さて、訓練が一段落ついたようなのでインタビューといきましょう。

今日のターゲットは、笑顔の素敵な建築コースのアゴヒゲ王子。郡上市出身の山越 一範(やまこし かずのり)さんです。こんにちは。よろしくお願いします。
山越「よろしくお願いします」
緊張感あふれる張り詰めた実習ですね。教官、厳しくないですか?
山越「厳しくないですよ。 刃物を扱う時は、1つ間違えれば大けがにつながるので、教官も訓練生も気を引き締めてやってるだけで」
ちなみに、どうして、のこ刃の横に立たなきゃいけないんです?
山越「作業中に万が一、後ろから押された時、のこ刃の延長線上にいたら、頭から刃につっこんでしまうんで」

マグロの解体ショーみたいに、えらいことになってしまいますね。立ち位置にもちゃんと理由があるのか。ところであの、・・・・基本的なことを聞きますけど、ここで勉強している「在来軸組構法」っていったい何なんです?

山越「建築中の家の骨組みで、こういうの見たことありませんか?」
あります。あります。
山越「簡単に言うと、柱や梁などの骨組みをしっかり組んで建物を支える工法です。これに対して、合板を貼って壁で強度を確保するのがツーバイフォーです」
ツーバイフォーはよく聞きますね。在来軸組構法は、どこが優れているんですか?
山越「骨組みをしっかり組んでいく方が、増築やリフォームがしやすく、設計の自由度が高いと言われています」
はあ・・・・。 いまひとつ理解できないんですが。
山越「骨組みがしっかりしていれば、壁をぶちぬいても家は壊れません。でも、壁そのものが家を支えている場合、壁に穴をあけると強度が落ちて危険になりますから構造上の制約が多いんです」
なるほど!

山越「だから、在来軸組構法では、木材に凸凹のほぞ穴をあけて木を組むことで、柱や梁の強度を出します。きっちり接合すればビクともしないので釘は使いません」
勉強になります。でも、最近のハウスメーカーは、工場で作ったパーツを現地で組み立てるプレカットのツーバイフォーが主流と聞きますけど。在来軸組構法の技能や知識って、これからも必要とされるんですかね?
山越「在来軸組構法はすべての建築の基本なので、ツーバイフォー住宅だから在来軸組構法はまったく関係ない、ということではなく、軸組の技法も用いられています。逆に、在来軸組構法で建てた家を合板で補強することもあります。だから、建築業界で働くためには絶対必要な技能・知識なんです」
考えてみりゃ、昔の家をリフォームとか増築する場合、在来軸組構法を知らないと手が出せないですよね。
山越「はい。どの柱なら切っても大丈夫かを知らないと家の強度が確保できません」

ちなみに山越さんは、卒業したらどんな仕事をしたいんですか?
山越「夢は大工の棟梁に弟子入り、です」
ゼネコンとか工務店じゃなく?
山越「大工が1から日本家屋を建てる、そんな仕事をしたいんです」
なにかきっかけがあるんですか?
山越「以前、知り合いの大工仕事を手伝って、大工になりたいと思いました」
でも、仕事は相当キツいんじゃないですか?
山越「体力的にはキツいですよ。1袋40キロのセメントを担いだりするんで。でも、自然に近いところに身を置く方が断然いいです」
山越さんに限らず、この学校の訓練生からは、「自然」というキーワードをたくさん聞きます。山越さんも、「自然のものを扱う」ということの魅力にハマッてしまった1人なんですね。
山越「きっとそうです(笑)」
山越さん、最後に何かアピールすることがあればどうぞ。

山越「この学校には、仕事に対する意識の高い人が多く集まっていて刺激になります。建築の基礎を勉強したい人にオススメです。あと、寮のおばちゃんがやさしくて、飯がすごくおいしいです」
最後の最後に飯かよっ!・・・でも、寮の飯がおいしい話は他の訓練生からも聞いたことがあります。よほどおいしいんですねえ。山越さん、ありがとうございました。
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