| 集落営農とは |
| 農村集落が古来持っている集落機能を活かして、集落の農業を集落で維持していくことを集落営農と言います。 集落機能というのは、集落の行事や作業を共同で行う習慣などのコミュニティとしての機能です。多くは村祭りや冠婚葬祭などの行事や、用水路などの管理などで発揮されます。 この機能を活かして、耕作が困難になったり、個人では対応できない事業(転作におけるローテーションなど)を集落の共同作業事項として行っていくことが集落営農の基本となります。 また、この機能を継続的に行うために、様々な形で組織化された組織を「集落営農組織」と言います。 |
| 集落営農組織の形態 |
| 集落営農組織の形態は地域の営農形態や古来の習慣等で個々の組織で異なりますが、労力の提供方法や収益の配分方法などで幾つかのタイプに分けられます。労力提供を組織参加農家が(原則)全戸参加で行うか、一部の農家のみの参加かによるかによって、前者を「協業型」、後者を「担い手(オペレーター)型」に分けられます。また、収益の分配については収益を全戸に配分する方法、出役者のみで配分する方法、組織として収益を留保する方法があります。この2つの組み合わせによって幾つかのタイプができることになります。 さらに、組織形態が「任意の集団」と「法人(農事組合法人、農業生産法人である株式会社等)」と言った違いがあります。 また、集落の大多数の農家が何らかの形で組織に参加していることも特徴のひとつです。 |
| 集落営農のメリット |
| 集落営農組織ができた理由は昔は 1) 集団で転作を行うと交付金等が受けられる 2) 土地改良事業の付帯条件 などが多かったのですが、最近では 3) 耕作が困難な水田が集落内に増えてきた 4) 耕作者が高齢化したが、後継者が少ない などの理由が増えてきています。 例えば、ほ場”1”に対して労力”1”が必要な場合、個人完結経営では高齢化等で労力が”1”を下回ると耕作が困難になります。しかし、集落営農組織があると労力”1”未満の複数の農家が共同で作業を行うことでほ場”1”に対し”1”以上の労力を確保できることになります。これを集落全体で相互に補完し合うことで、集落全体のほ場に対し労力確保ができることになります。 また、組織で(個人では購入できないような)高性能機械を購入し、利用することで1人当たりの労力アップを図ることができたり、個別に持っている機械が不要になるため、個人としては機械購入が不要になり、集落全体としては機械資産を減らす(経費を減らす)ことができる、と言う形でコストダウンがされていきます。また、肥料や農薬等の資材も共同購入を利用して大量に発注することで安く購入することもできます。 |
| 任意団体と法人化 |
| 組織形態は任意団体と法人と分けられます。法人には農事組合法人と株式会社(農業生産法人に限る。ただし、平成21年12月から農地法が改正されるため、この制限はなくなる)等がありますが、任意団体は税務上、「人格なき社団」とされるケースがあります。 正規に法人化すると幾つかのメリットがあります。 1) 農地の利用権設定ができる 2) 収益の内部留保ができる 等々のメリットがありますが、あまり知られていないことに 3) 固定資産(建物等)の登記ができる ことがあげられます。任意団体では建物などは組合員の共同登記または代表者名での登記になり、減価償却等の経費の他、固定資産税等は登記者に掛かってきます。法人化すれば、法人の経費となり、特定の構成員または全員に掛かることがなくなり、負担が軽減されます。 |
| 集落営農の限界 |
| 集落営農はその集落の集落機能を利用して運営されています。したがって、集落機能が衰えると集落営農組織の運営機能も衰えてしまうことが多いので、注意が必要です。したがって、集落営農組織を立ち上げる場合は集落機能が衰える前から準備が必要です。 逆に集落営農組織をテコに集落機能の向上を図るのは困難で、この場合、集落機能そのものの活性化を図る必要があります。活性化の方法としては若手や外部の人間の導入です。 集落機能と言っても多くは昔からその集落に住んでいる人から構成され、後から入ってきた人や非農家は含まれない場合が多い上、会合等でも家長(多くは高齢者)が出席し、若手の意見が通りにくい状態です。したがって、実際に活動する人たちが活動しやすくすることが必要です。 |