| 生物農薬とは |
| 生物農薬とは、生物を利用して病害虫の発生等を防除するもので、農薬取締法上「農薬」と分類されているものです。病害に対するものと害虫に対するものでは大きく異なるので、分けて説明します。 |
| 病害に対する生物農薬 |
| 病害に対する生物農薬の作用は大きく分けて2つに分けられます。 ひとつは、先に無害な微生物を葉などの表面に繁殖させ、後からやってくる病害菌が繁殖できないようにする方法です。バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)やタラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)などが代表で、葉の表面から出される栄養物を先に消費して繁殖し、同じような栄養物を使う病原菌を繁殖させなくなります。欠点は菌の繁殖が植物の生長に追いつかないことで、新しく伸びた部分にはこまめに散布してやる必要があることです。 もうひとつは菌が出す抗菌物質などを利用するもので、アグロバクテリウム・ラジオバクター(Rhizobium radiobactor st.84 以前はAgrobacteriumが属名に使われていた。)が挙げられます。本菌はバラの根頭癌腫の菌と同種で、病原性のない系統です。本菌は根に付くと抗菌物質を出し、他の菌(特に同種で病原性のある系統)の繁殖を抑えます。こちらは一度「接種」すると効果が持続します。 |
| 害虫に対する生物農薬 |
| 害虫に対する生物農薬は様々なものがあります。 まず、害虫の天敵となる生物を放恣することです。大はアイガモで、水田に発生する雑草や昆虫を食べてくれます。天敵の多くは捕食性昆虫で「農薬」として売られているものも数多くあります。例えばテントウムシ類やカブリダニ類、寄生蜂などが挙げられます。また、寄生性の線虫も実用化されています。 もうひとつは害虫の病原菌を散布し、病気にして殺虫することです。また、病原菌から「毒素」だけを抽出して「農薬」としたものもあります。 |
| 生物農薬の特徴 |
| 病害、害虫のどちらに対しても、生物農薬の特徴として共通するのが、 1) 効果のある期間が限定される。あるいは効果が安定して現れない 2) 通常の化学農薬が使用できない、または限定される 3) 対象となる病害虫が限定され、他の病害虫にはまったく効果がない 4) 人体に影響が少なく(特に天敵昆虫など)、安全、安心な農薬である。したがって、有機栽培でも使用できる 5) 連用は、化学農薬では抵抗性が現れるなど避けるべきだが、生物農薬では繰り返し使うことで生息密度を維持、向上が期待できるので、推奨される などがある。特に 4) 5) の特徴は生物農薬を利用するのに有利な点である。 |