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ある朝、学校へ行く途中、最近買った中古自転車のチェーンが突然外れてしまいました。スピードが急に変化したので、私はバランスを崩して勢いよく前に放り出されました。道端の花壇の柵に肩からぶつかった私は、くしゃくしゃになって地面に横たわり、息も絶え絶えの状態でした。気がつくとプロレスラーに二つ折りされたかのように背中が痛んでいました。

しばらくの間、立てずに地面に横たわっていると、自転車で通りすがった何人かの生徒達が、大丈夫ですかと声をかけてくれました。混乱のあまり、自分でもわけのわからない英語で大丈夫だよと答えていましたが、そんな時に50代の女性が私の前に立っているのに気づきました。彼女はラッシュアワーの最中なのにわざわざ車を止めて、様子を見に来てくれたのでした。彼女は「大丈夫?病院まで連れて行ってあげようか?」と聞いてくれました。私は背中の痛みを感じながらも、ゆっくり立ち上がって、彼女のとても親切な申し出を丁寧に断りました。

すると彼女は地面を指さしました。その先には、蝋でつくったエビフライのキーホルダーがありました。一ヶ月前に、郡上八幡へ行ってきた私のガールフレンドからもらったものでした。学校ではいつもポケットの外側に垂らしているので、生徒の間で結構人気になり、いつも指されて「ほら、海老フライだ!」と言われていました。その単純な反応を思い出して、私もその女性に「ほら、海老フライだ!」と思わず言ってしまいました。彼女はそんな背景を知らなかったので、私がこの事故でかなりひどい精神的ショックを受けていると思ったのかもしれません。


それでも、彼女は私がある程度まで動け、学校に遅刻しないように行こうとしていることが分かったのか、車から袋から出したばかりのような新しいタオルを持ってきて、私に渡しました。そして、チェーンを直すのに、手が汚れないように使いなさいと言ってくれました。私は自分の手についた血と砂利を払いのけました。

その女性に何回もお礼を述べ、感謝の気持ちが伝わるように、心を込めて90度のおじぎをしました。彼女はそれほど大したことをしたとは思っていないようでした。

彼女がその場を去るのを待って、私は自転車に乗りました。学校までの残り道、私は身体のどこが痛むのかがわかってきました。背中、腕、手、膝。あちらこちらの痛みがこの身に起こった不運を思い出させました。

なんてついていないんだと思い始めたところで、かごにある油染みたタオルに気がつきました。そして先ほどのあの女性のような、見ず知らぬ人がこんな私に救いの手を差し伸べてくれた幸運に感謝しました。日本人はよく優しい民族だと評価されますが、あの女性のように身を捨てて親切な行動をするからなのだなあと実感しました。

体を動かすと我慢できないほどの痛みに耐えながら、なんとか学校に着きました。痛みをこらえて、教材を作りましたが、ほどなく主任の先生の計らいで、私は病院までつれて行ってもらいました。

結局、吐き気を催すような痛みの原因は肋骨の骨折でした。レントゲンを撮られ、氷で患部を冷やされ、痛み止めをいっぱい飲まされる頃には、この身に起こった不運を嘆く気持ちも収まってきました。痛み止めが効いて、温かい楽な感じが体中に広がってくると、寄り道してまで私のことを気遣い、心配してくれた先ほどの親切な女性のことを思い出していました。

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