ライン
子宮がん検診Q&A

質問
1
子宮がん検診にはどのようなものがありますか?

子宮がんには発生部位によって、子宮頸がんと子宮体がんがあります。日本では従来、子宮がんの大部分は頸がんでした。しかし、最近では欧米女性並に体がんが増加傾向にあります。
現在、子宮がん検診は30歳以上の女性を対象とした頸がん検診と対象を絞り込んだ体がん検診との2種類が行われています。
子宮頸部からヘラや綿棒などを用いて細胞をとる検査が頸がん検診と呼ばれているもので、同時に内診によって子宮や附属器の状態を確認します。次に問診などを参考にして、医師が必要と考えた方に対して、子宮体部から細胞をとる場合あがあります。これが体がん検診と呼ばれるものです。

質問
子宮がん検診では、どのくらいがんが発見されていますか?

平成7年度の厚生省老人保健事業報告によると、全国で約384万人が頸がん検診を受診しています。受診者の0.98%にあたる37,760人が精密検査に該当し、この中から2,556例のがんが発見されました。これは受診者全体の0.067%に相当します。
一方、体がん検診をみますと、同年度に全国で約22万人が受診しています。受診者の1.94%にあたる4,219人が精密検査に該当し、この中から238例のがんが発見されました。これは受診者全体の0.109%に相当します。

質問
子宮がんが検診で発見されると本当に助かるんですか?

昭和60年の第5次悪性新生物実態調査によると、子宮頸がんの28.1%が検診(集団検診または健康診断)で発見されています。
検診由来の子宮頸がんの契機で発見された子宮頸がんの臨床進展度は、子宮頸子宮頸部に限局したものは65.3%にすぎず、転移した状態で発見されたものが約3分の1を占めています。
一般的に、早期で発見された子宮頸がんには、単純子宮全摘や拡大子宮全摘など、術後の機能障害予防を考慮した治療法が選択されるに比し、かなり進んだ子宮頸がんについては、術後に排尿、排便障害をきたす可能性のある術式(広範囲子宮全摘)や放射線療法、さらには化学療法も必要とされる場合があります。したがって、生活の質(Quality of life)を考慮した場合、大きな差が生じることが予想されます。
子宮頸がんは早期発見されれば非常に生存率の良い疾患です。集団検診で発見された子宮頸がんの5年生存率は約88.7%という成績があります。これに対して全子宮頸がんの5年生存率は約64%と、約20%以上の開きがあります。
一方、子宮体がんについて述べますと、前記実態調査では、子宮体がんの11.2%が検診を契機に発見されています。検診由来と検診以外の契機で発見された体がんの臨床進展度をみますと、子宮体部に限局したものがそれぞれ87.5%と72.3%で前者に早期で発見された体がんが多く含まれています

 
質問
子宮がん検診は有効なのですか?

欧米では、とくに北欧を中心に1960年代から1970年代にかけて、子宮頸がん検診が行われ、いずれの施設においてもがん検診の有効性が証明されています。
例えば、北欧5カ国を対象に子宮頸がんの集団検診の状況を検診導入後の死亡率の低下率を比較検討すると、検診が全国的に普及し検診間隔が最も短い期間であるアイスランドの死亡率の低下率が最も大きく(80%)、集団検診が導入されず検診が任意に行われているノルウェーにおける死亡率低下が最も小さい(10%)ことから、検診は子宮頸がんの死亡率低下に大きく影響を与えていると考えられます。
また、子宮頸がん(浸潤がん)の減少効果についてはClarke以来、多くの国で症例対照研究が行われています。これらの研究の多くは、集団検診に受診歴があると、浸潤がんとして発見されるリスクを10〜30%まで下げることができることを示しています。また、わが国でも検診によって子宮頸がん(浸潤がん)の有意な減少効果を認めています。
一方、、子宮体がんについてはこういった免疫学的評価は十分に行われておらず、早急に検討する必要があります。

質問
子宮がん検診の検査は安全なのですか?

子宮頸がん検診で細胞を採取する時に、若干出血することがありますが、ほとんどは自然に止まります。また、精密検査の時に、組織を採取しますが、この時の出血も止血剤の散布等で容易に止血します。しかし、稀ではあるものの、縫合処置を必要とする場合もあり、出血が続くときは保健婦、検査施設等にご相談下さい。
子宮体がん検診の場合、細胞採取時に疼痛を訴える場合もありますが、ほとんどは一過性のものと思われます。また、精密検査における組織採取時に、可能性としては子宮内感染、子宮穿孔がありますが、頻度としては極めて少ないものと考えられます。

トップ アイコン
トップ

ライン