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平成28年度調査事業計画“何が見つかる?今年の遺跡”

発掘作業

上保本郷遺跡(かみのほほんごういせき)

  • 所在地:本巣市上保
  • 主な時代:古代、中世

上保本郷遺跡は、船来山南麓の扇状地上に位置し、発掘区の約600m北には弥勒寺(みろくじ)廃寺、約1km南には席田(むしろだ)廃寺跡が所在しています。
平成27年度の本発掘調査では、土坑、溝、掘立柱建物、鍛冶関連遺構などを確認し、土師器(はじき)、須恵器(すえき)、灰釉陶器(かいゆうとうき)、中世陶磁器など、平安時代末から室町時代の遺構や遺物を多数発見しました。特に鍛冶炉などの鍛冶関連遺構からは鞴羽口(ふいごのはぐち)や砥石(といし)といった鍛冶に用いる道具が出土しています。
昨年度の調査に続き、今回の調査でも古代から中世にかけての人々の生活の痕跡が見つかる可能性があります。

平成27年度発掘調査における遺物出土状況の画像
写真:平成27年度発掘調査における遺物出土状況
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:平成28年度東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

正傳寺跡(しょうでんじあと)

  • 所在地:本巣市上保
  • 主な時代:近世

 正傳寺跡は、本巣市と岐阜市にまたがる郡府山(標高110m)の南斜面に位置します。正傳寺は、明治43(1910)年の寺籍調査表によると、安永年中(1772年から1780年)に創立されたことが分かっています。
平成26・27年度に県教育委員会社会教育文化課が試掘・確認調査を実施し、正傳寺跡と考えられる遺構を検出し、室町時代から江戸時代の遺物が出土しました。
今回の発掘調査では江戸時代後期に造られた正傳寺の建物跡が見つかる可能性があります。
正傳寺跡の石垣の画像
写真:正傳寺跡の石垣
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:平成28年度東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

御望A遺跡(ごもAいせき)

  • 所在地:岐阜市御望
  • 主な時代:縄文から近世

 御望A遺跡は、古根尾川によって形成された、段丘面(黒野台地)上に立地しています。平成3年度から平成6年度に岐阜市教育委員会が発掘調査を実施し、縄文時代、弥生時代、奈良時代、中世、近世の遺構・遺物を確認し、集落跡であることが判明しました。
 平成26・27年度に、県教育委員会社会教育文化課が実施した試掘・確認調査では、縄文時代から古代にかけての遺物を確認し、竪穴建物と考えられる遺構を複数確認しました。今回の発掘調査では縄文時代から古代にかけての人々の生活の痕跡などが見つかる可能性があります。

試掘・確認調査で出土した土器の画像
写真:試掘・確認調査で出土した土器(須恵器や土師器)
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:平成28年度東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

洞第2古墳群(ほらだい2こふんぐん)

  • 所在地:岐阜市洞
  • 主な時代:古墳

洞第2古墳群は、岐阜市北東部に位置する御望山(標高225m)の緩やかな南斜面の東寄りに位置しています。平成26年度に県教育委員会社会教育文化課が実施した試掘・確認調査をもとに、平成27年度に4,453m2の範囲について発掘調査を行いました。その結果、これまで知られていなかった7基の古墳や石室を確認しました。また、古墳以外にも弥生時代末から中世にかけての遺構や遺物を発見することができました。
平成28年度は、平成27年度発掘区の北西側2,187m2について発掘調査を行います。今年度の発掘区には昨年度確認した古墳の墳丘や周溝が続くことが分かっており、全容を把握できることが期待できます。

平成28年度洞第2古墳群発掘区を南東から撮影の画像
写真:写真手前の地面が見えている範囲が昨年度の発掘区で、今年度はその奥を調査します。
(平成28年度洞第2古墳群発掘区を南東から撮影)
事業者:国土交通省中部地方整備局岐阜国道事務所
事業名:平成28年度東海環状自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

大垣城跡・城下町(おおがきじょうあと・じょうかまち)

  • 所在地:大垣市丸の内
  • 主な時代:中世、近世

今回の発掘区は、現在の大垣城天守閣から見て約150m北西に位置し、近世(18世紀前半)の絵図によると、大垣藩家老の城内武家屋敷内に当たります。平成27年度に県教育委員会社会教育文化課が実施した試掘・確認調査では、堀と考えられる遺構を確認し、近世陶磁器が出土しました。
今回の発掘調査で大垣城跡・城下町の様相の一端が明らかになることが期待されます。
事業者:国土交通省中部地方整備局
事業名:H28岐阜地方家庭裁判所大垣支部庁舎新営に伴う埋蔵文化財発掘調査業務

国分寺遺跡(こくぶんじいせき)

  • 所在地:大垣市青野
  • 主な時代:弥生から近世

 国分寺遺跡は、弥生時代以降に段丘化した扇状地上に立地する社寺跡です。平成8年度から平成14年度に大垣市教育委員会が発掘調査を実施し、参道や幢竿(どうかん)支柱、井戸、掘立柱建物など、美濃国分寺に関連する遺構が確認されました。今回の調査場所は、その南側に当たります。平成25・26年度に県教育委員会社会教育文化課が試掘・確認調査を行い、土坑や方形遺構などを確認し、土師器や須恵器、灰釉陶器などが出土しました。

国分寺の画像
写真:国分寺遺跡遠景
事業者:大垣土木事務所
事業名:平成28年度公共社会資本整備総合交付金事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

上切寺尾古墳群(かみぎりてらおこふんぐん)

  • 所在地:高山市上切町、中切町
  • 主な時代:縄文、古墳、古代、中世

 上切寺尾古墳群は、高山盆地北西部の丘陵尾根及び傾斜地に位置しています。高山市内で確認されている群集墳(ぐんしゅうふん)の中では古墳の数が最多で、墳丘の原形をとどめているものが多く残っています。平成27年度にはA地点(1,800m2)の本発掘調査を実施し、新たに8基の古墳を発見しました。古墳からの遺物が少ないため、明確な時期を特定することができませんが、5世紀から6世紀代の群集墳の可能性が高いことが分かりました。
 今年度はA地点の南側(B地点)、西側(C地点)、北側(D地点)の計6,450m2の調査を行います。発掘区内に存在する33基の古墳を調査することで、上切寺尾古墳群の様相が明らかになることが期待されます。

上切の画像
写真:上切寺尾古墳群D地点の調査前風景
事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
事業名:平成28年度中部縦貫自動車道高山清見道路事業に伴う埋蔵文化発掘調査

日焼遺跡(ひやけいせき)

  • 所在地:高山市上切町
  • 主な時代:縄文、古代

 日焼遺跡は高山盆地北西部の丘陵地帯に位置しており、南向きの緩傾斜地に立地する縄文時代・古代の複合遺跡です。平成27年度に日焼遺跡A・B地点1,750m2の本発掘調査を行い、縄文時代早期の煙道付炉穴や中期の石囲炉を有する竪穴建物、奈良・平安時代の竪穴建物や掘立柱建物を検出しました。
 今年度はA地点の東側に隣接するC地点102m2の調査を行います。今回の調査により、縄文時代や奈良・平安時代の集落跡の様相が明らかになることが期待されます。

日焼けの画像
写真:平成27年度の調査で検出した奈良時代の竪穴建物
事業者:国土交通省中部地方整備局高山国道事務所
事業名:平成28年度中部縦貫自動車道高山清見道路事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

六里遺跡(ろくりいせき)・稲荷遺跡(いなりいせき)

  • 所在地:揖斐郡大野町大字六里、小衣斐
  • 主な時代:縄文から近世

 六里遺跡・稲荷遺跡は、標高20m前後の根尾川緩扇状地の扇端に位置します。両遺跡ともに平成16年度から平成20年度に大野町教育委員会が実施した大野町遺跡詳細分布調査で確認された遺跡です。平成26年度に発掘調査を行い、六里遺跡では縄文時代から近世にかけての様々な遺構、稲荷遺跡では古代の集落跡を確認しました。
 六里遺跡は、条里(じょうり)地割施工(平安時代)以降の畦畔に囲まれた水田跡や坪境(つぼざかい)溝等、古墳時代後期の集落跡、縄文時代晩期の墓域がみつかりました。これらは、時代毎に違う堆積の上面から検出しており、河川で運ばれた土の堆積や土地の開発によって地面が大きく変化したことが分かりました。
 稲荷遺跡では、奈良時代から平安時代前期に属する遺物を確認し、古代の集落跡であったことが分かりました。発掘区中央の溝群を境に、20棟の竪穴建物が密集する東側の居住域と、畑跡が見つかった西側の生産域とに分かれており、当時の一般的な集落の様相を考える上で貴重な発見となりました。
 今年度は、平成26年度の調査成果や出土した遺物を整理する作業を行います。

六里の画像
写真:六里遺跡の土器棺(縄文時代晩期)

稲荷の画像
写真:稲荷遺跡の竪穴建物群(奈良時代から平安時代)
事業者:揖斐土木事務所
事業名:平成28年度県単街路事業に伴う埋蔵文化財発掘調査

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