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平成29年(2017)年3月2日上保本郷遺跡の大溝とその遺物を紹介します

 

平成27年度に続いて実施した上保本郷遺跡の発掘調査は、昨年11月末で現地調査を終えました。今回は、現地で確認した大溝と大溝から出土した遺物について紹介します。

 

全景

大溝の全景(上空から撮影)

 

今年度の調査では、たくさんの大小の穴の他に、東西方向や南北方向に走る複数の溝が見つかりました。その中で特に規模の大きい2つの溝を、それぞれ「大溝1」「大溝2」とし、その大溝について分かってきたことを紹介します。

 

大溝近景1

大溝1の近景(南東から撮影)

 

大溝1は幅約3~4m、深さ約1.3mの規模で、土器や石器、金属製品、獣骨など約1500点の遺物が出土しました。溝の底部からは、完形や一部が割れた土師器皿が20数枚まとまって出土しました。

 

出土土師器皿

大溝1の底部から出土した土師器皿

 

大溝近景2

大溝2の近景(北から撮影)

 

大溝2は幅約2~3m、深さ約1.2mの規模で土器や石器など約3000点の遺物が出土しました。出土遺物の大半を土師器が占め、大溝1と同様に、溝の底部からは直径14cmの大型をはじめとする20枚近くの土師器皿が出土しました。

 

出土鍛冶関連遺物

土師器皿とともに出土した鍛冶(かじ)関連遺物

 

大溝2からは、土師器皿とともに、金属製品を作る際に使用される坩堝(るつぼ)や鞴羽口(ふいごはぐち)などの遺物が出土しました。今回の調査では、溝の周辺で鍛冶を行っていた場所を特定することはできませんでしたが、出土遺物からこの近辺で鍛冶を行っていたことが推定できます。

 

大溝1と大溝2にはさまれた範囲からは複数の掘立柱建物が見つかりましたが、大溝1の西側では見つかりませんでした。他の発掘区でもほぼ同規模の南北方向の大溝が見つかり、その大溝の内側で掘立柱建物が見つかっています。これらのことから、この地域の有力者は、こうした大溝によって区画された空間に居住していたと考えられます。

 

土師器皿集合写真

上保本郷遺跡西地区から出土した土師器皿(最前列の4枚は灯明皿)

 

 

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