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木造金剛力士立像[もくぞうこんごうりきしりゅうぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 大垣市赤坂町
所有者 明星輪寺
指定年月日 昭和50年12月10日

木造金剛力士立像

  • 松材寄木造
  • 像高左阿形[あぎょう]:254.8cm右吽形[うんぎょう]:252.5cm

 美濃赤坂の虚空蔵さんで有名な明星輪寺の山門に位置する金剛力士像である。寺門にあって一山の守護神とするこの像は、通常参道に向き合って阿吽[あうん]一対に造顕する。写真左側は阿形像で大きく口を開き、眼を瞋[いか]らせ左手を高くかざし独鈷杵を執る。右手は五指を開き掌を下に向けて垂下[すいか]し、腰を左方にひき右足を斜前方に踏み出して立つ。吽形は口を閉じ瞋目[しんもく]で両手を屈臂[くっぴ]している。左手は挙を作って腰にかまえ、右手は五指を開き掌を前方に向けて腹脇にかまえる。右方に腰をひき左足を踏み出して岩座に立つ。材質は檜材を使用することが多いが、両像とも松材の寄木造で彩色が行われていた。造像当初は矧目や干割をかくすため、全体に麻布を漆で貼付け錆下地を行い黒漆を塗り、その上に彩色を行う手法がとられていたと推察される。現状では、表面の風化がひどいことと、度々の修理によってその痕跡は失われて素地同然となっている。
躰部を形成する根幹材は芯もちの松材を4角に削り4材にたばねるように矧合わせ、さらに背面に阿形は堅2材矧ぎ、吽形は上下2段に腰辺でつぐ上方1材、下方2材の3材を矧ぎつける。その他両肩、臂、手首、腰外側、両足先等を矧ぎ付ける。
金剛力士像は山門に祀ることが多く、常に風雨にさらされるところから、損傷が著しく全国的に見ても遺作例は非常に少ない。その中にあって制作年代を鎌倉期とする明星輪寺の金剛力士像は貴重な存在であろう。しかも彫刻性に富み頭部から躰部にかけてのプロポーションは実に見事であり、きめこまかな筋肉の起状にも繊細な注意がはらわれ一層力強さをましている。裳[も]の流れも流動的でみごとにまとめあげ、鎌倉時代の特色を表している。

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