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金剛神[こんごうしん]

分類 重要文化財
指定別
所在地 高山市上一之町高山市郷土館
所有者 飯山寺
指定年月日 昭和37年2月12日

木造金剛神

  • 杉材一木造彫眼
  • 像高両像共に220.0cm

 円空彫刻の中で、もっとも力作に属するものである。大きさは円空彫刻において最大の部類にはいる。表現は、円空彫刻の特色である創造力豊かで、するどく烈しい。
飯山寺は高山市内の西南のはずれにあり、もと飛騨の国分寺観音堂として、古びた宝篋印塔[ほうきょういんとう]や五輪塔が立ち、信仰盛んであった昔を思わせる古刹である。寛文、享保、元文、宝暦、延享等に献納した絵馬が数多く残されている。飛騨観音の2番札所で、本尊は十一面観音である。
この堂の片隅に、金剛神2体が、ほこりをかぶって、忘れられていたように、壁に立てかけてあった。
像身は思い切った抽象化が行われて、勁[つよ]い刀痕が見られる。この1対の像と類似の作が高山市丹生川町の千光寺にあるが、他には全然こうした傾向の大作は見られない。2体中、1体は面相の幅が広く豊かで逞しい。他の1体はやや細く女性的である。像身は、するどく裁断され、様式化している。

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