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木造釈迦如来立像(即心院)

木造釈迦如来立像[もくぞうしゃかにょらいりゅうぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 瑞穂市呂久
所有者 即心院
指定年月日 平成16年10月5日

木造釈迦如来立像

 この木造釈迦如来立像は、京都朱雀野にあった即心院の本尊であった。明治36年(1903)、即心院が呂久の尼僧の念仏道場清涼庵に移転した際、同院の過去帳とともに遷座した。当該釈迦如来立像は、像高52.0センチメートル、本躰は、肉髻株、白毫相をあらわし、耳朶環状、耳孔貫通、三道彫出する。髪を縄状に刻み、髪際正面に渦巻く。衲衣を通肩に着け、裳裾二段を彫出する。左手は垂下し掌を前にして五指を伸べ、右手は屈臂して上げ掌を前にして五指を伸べる。足先をやや開いて蓮華座上に立つ。光背は挙身光。台座は蓮華座。なお、光背・台座とも江戸期の後補である。その品質構造は、桧材、寄木造り、黒漆塗り、金泥彩。髪は群青、肉身部は白土及び丹地に金泥彩、衲衣部は截金による雷文繋ぎに団花文を配す。また、像内の納入文書によると、「文応元年(1260)5月14日に、大和国菩提山寺の子院の範永が施主となって、仏師覚円によって造られた」とある。全体的に保存状態は良好で、截金文様もよく残り、小像ながら優品である。像内文書の存在によって、造顕時期・施主・仏師もわかり、彫刻としてだけでなく、史料としても重要視されるべきものである。

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