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食肉の生食に関わるリスク

コラムお肉の中の寄生虫

寄生虫博士

 皆さんは肉の中に潜んでいる寄生虫が食中毒を起こすことがあるのをご存知ですか?馬刺しを食べた後、原因不明の嘔吐や下痢が起こる事例が全国で起きていました。その原因が、住肉胞子虫という名前そのまま肉の中に住んでいる寄生虫だったのです(図1:これは牛に住んでいる虫)。
 住肉胞子虫は小さなバナナの形をした虫(図2:シストから押し出したところ)で、肉の中でシストと呼ばれる袋に包まれて何万もの仲間と一緒に暮らしています。
 肉に住んでいるのは、言わば幼虫の状態で、これが犬などに食べられると大人になってオーシストと言われる卵のようなものになって便と一緒に外に出ます。このオーシストが混じった水や餌から家畜が感染して、肉の中に幼虫部屋が出来る訳です。馬だけでなく、その他の家畜も野生動物、そして人もいろんな種類の住肉胞子虫を宿していることが分かっています。
 人で問題になっているのは、肉と一緒に何百万とか何千万個ものたくさんの幼虫を食べるとその毒素で吐いたり,下痢を起こしたりしてしまうことです。毒素と言っても幼虫の成長に必要なタンパク質で,彼らは決して毒のつもりで作ってるんじゃないんですけどね。
 この毒素は,煮たり焼いたり,しっかり冷凍すれば効かなくなります。でも、冷凍だと寄生虫は大丈夫でも,他の食中毒菌やウィルスが残っているかも知れません。だから、心配な人はしっかり火を通して下さいね。

牛肉の中のシストバナナの形をした虫

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