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ヤマセミ

ヤマセミ Cerylelugubrislugubris(Temminck) 準絶滅危惧
  ブッポウソウ目カワセミ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長38cm前後のハト位の大きさの大きなカワセミ類である。体は白色で頭と翼には黒白のまだら模様がある。雄の喉と胸に淡い錆色がある他はほぼ雌雄同色である。
生息環境 丘陵帯から山地帯の河川中・上流域や湖沼・ダム湖で繁殖する。冬季は雑木林のある平地の河川で見ることもできる。
生態 留鳥。繁殖期は3〜6月頃で水辺近くの土崖に巣穴を掘って営巣する。餌は魚で、河川のよどみや渕など流れが緩やかな水域で、水辺の樹上にとまって魚を探索し水中に飛び込んで採餌する。
分布状況 北海道、本州、四国、九州に広く分布する。国外では中国、タイ、ベトナムなどに分布する。県内では、高山市、中津川市、郡上市、本巣市、大垣市などで繁殖の記録がある他、県下全域の河川中流から上流に確認記録がある。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 本種は河川上中流域や渓流に沿った土状の崖に営巣しており、そのような河川環境が喪失している。河川沿いに道路が建設され、釣り人が繁殖地に立ち入ることで繁殖が阻害されることも考えられる。
保全対策 護岸工事の際には土崖を確保できるような工法を検討することが望ましい。また、巣として利用できるような坑(あな)を開けたり、採餌場となる渕や魚を探索するための止まり木を確保したりするなどの配慮も望まれる。
特記事項 御嵩町指定希少野生生物。
参考文献
  • 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
  • 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
  • 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)

文責:安藤辰夫・大塚之稔

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