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ヌマムツ

ヌマムツ Nipponocyprissieboldii(TemmincketSchlegel) 準絶滅危惧
  コイ目コイ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長13cmで雄の方が大型となる。胸鰭と腹鰭の前縁は桃色、体側に幅の広い青紫色の明瞭な縦帯がある。カワムツとは、側線鱗数、臀鰭分岐軟条数により識別できる。
生息環境 河川の中流から下流にかけての淵や平野部の池沼に生息する。近縁種のカワムツよりもさらに流れの緩い場所を好む。
生態 現在までの生態学的知見はカワムツと混同されており、多くの情報はない。カワムツと同所的に生息していても完全な生殖隔離があることが報告されている。2008年に新属名が提唱された。
分布状況 日本固有種。東海地方、濃尾平野、琵琶湖水系、山陽地方、四国北部、九州北部に分布する。県内では、飛騨地域での生息記録はない。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 平野部の池沼では、オオクチバスなどの外来魚の侵入による食害や、生息場所である池沼や水路の消失が挙げられる。
保全対策 外来魚の生息するため池では、オオクチバスなどの駆除により、生息する個体数が増加した事例があり、生息環境の保全が必要である。
特記事項  
参考文献
  • Chen,IS.,JH.WuandCH.Hsu.2008.ThetaxonomyandphylogenyofCandidia(Teleostei:Cyprinidae)fromTaiwan,withdescriptionofanewspeciesandcommentsonanewgenus.TheRafflesBull.Zool.19:201-214.
  • Hosoya,K.,H.Ashiwa,M.Watanabe,K.MizuguchiandT.Okazaki.2003.Zaccosieboldii,aspeciesdistinctfromZaccotemminckii(Cyprinidae).Ichthyol.Res.,50:1-8.
  • Okazaki,T.,M.Watanabe,K.MizuguchiandK.Hosoya.1991.Geneticdifferentiationbetweentwotypesofdarkchub,Zaccotemminckii,inJapan.Japan.J.Ichthyol.38:133-140.

文責:大原健一

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