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アスベスト飛散防止対策
アスベスト飛散防止対策について
大気中へのアスベスト飛散防止対策に関する情報を提供します。
建築物等の解体等工事における大気汚染防止法に基づく規制について
「大気汚染防止法」に基づき、特定建築材料が使用されている建築物又は工作物の解体、改造、補修等作業を行う際には、事前に都道府県等に届出を行い、石綿飛散防止対策(作業基準の遵守)をとる必要があります。
1「大気汚染防止法の一部を改正する法律」について
平成26年6月1日から大気汚染防止法の特定粉じん排出等作業が規制強化されています。
石綿の飛散防止対策の強化を図り、人の健康に係る被害を防止するため、改正大気汚染防止法が平成25年6月21日に公布され、平成26年6月1日から施行されました。
改正内容
- 特定粉じん排出等作業を伴う解体等工事の実施の届出義務者が「工事施工者」から「発注者」に変わりました。
- 解体等工事の受注者に「石綿使用の有無の事前調査の実施」「発注者への調査結果等の説明」「調査結果等の解体等工事の場所への掲示」が義務付けられました。
- 都道府県知事等による立入検査の対象に解体等工事に係る建築物が加わりました。
- 作業基準(前室の負圧措置、隔離を行った作業場で使用する集じん機・排気装置の排出口における粉じん測定による装置の正常稼働の確認義務や確認事項の記録義務等)が見直されました。
参考資料
「建設工事を始める前に(環境省作成啓発用パンフレット)」<外部リンク>
2事前調査の実施及び結果の説明・掲示について
解体等工事の受注者(または自主施行者)は、当該工事が特定工事に該当するか否かを図面や目視、石綿の含有分析等により事前に調査し、その結果を発注者に書面で説明するとともに、公衆に見やすい場所に掲示しなければなりません。
※発注者は受注者が行う調査に要する費用を適正に負担すること等に協力しなければなりません。
また、発注者は施工者に対し、施工方法、工期、工事費等について、作業基準の遵守を妨げるおそれのある条件を付さないよう配慮しなければなりません。
事前調査 |
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調査結果の書面による説明事項 |
特定粉じん排出等作業を伴う建設工事(吹付け石綿、保温材、断熱材、耐火被覆材等あり)に該当する場合 |
特定粉じん排出等作業を伴う建設工事に該当しない場合 |
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※説明時期は、特定粉じん排出等作業の開始の日の14日前まで |
※説明時期は、解体工事の開始の日まで | |
調査結果の掲示内容 |
※事前調査の結果、吹付け石綿、石綿を含有する保温材、断熱材、耐火被覆材等が確認されない場合も掲示は必要となります。 |
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特定粉じん排出等作業を伴う建設工事(吹付け石綿、保温材、断熱材、耐火被覆材等あり)に該当する場合 |
特定粉じん排出等作業を伴う建設工事に該当しない場合 |
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3規制の対象となる作業(特定粉じん排出作業)とは
石綿を飛散させる原因となる建築材料(特定建築材料という。)が使用されている建築物又は工作物を解体、改造、改修する作業が対象となります。特定建築材料とは、吹付け石綿、石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材(石綿が質量の0.1%を超えて含まれているもの)のことです。
区分 | 建築材料の具体例 |
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吹付け石綿 | (1)吹付け石綿、(2)石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)、(3)石綿含有ひる石吹付け材、(4)石綿含有パーライト吹付け材 |
石綿を含有する断熱材 (吹付け石綿を除く。) |
(1)屋根用折版裏断熱材、(2)煙突用断熱材 |
石綿を含有する保温材 (吹付け石綿を除く。) |
(1)石綿保温材、(2)石綿含有けいそう土保温材、(3)石綿含有パーミライト保温材、(4)石綿含有けい酸カルシウム保温材、(5)石綿含有ひる石保温材、(6)石綿含有水練り保温材 |
石綿を含有する耐火被覆材 (吹付け石綿を除く。) |
(1)石綿含有耐火被覆板、(2)石綿含有けい酸カルシウム板第二種、(3)石綿含有耐火被覆塗り材 |
※上記区分に該当しない「石綿含有成形板等」については特定建築材料ではありませんが、解体等の際に、機械による破砕等を行うと石綿が飛散するおそれがあるので、「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2014.6(122頁〜)」<外部リンク>を参考に、材料を薬液等で湿潤化して手ばらしによる取り外しを行うなど、飛散防止に十分留意することが必要です。
4特定粉じん排出作業に係る規定基準(作業基準)について
特定建築材料が使用されている建築物等を解体、改造、補修する際には、特定粉じん排出等作業の実施期間や実施者及び作業方法等を表示した掲示板を設けるほか、作業の種類ごとに遵守しなければならない作業基準が定められています。
なお、詳細については、「建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2014.6」<外部リンク>(第2章大気汚染防止法における石綿飛散防止対策の解説)を参照ください。
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作業の種類 |
作業基準 |
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1 |
特定建築材料が使用されている建築物又は工作物を解体する作業(2又は3に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物等に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること イ特定建築材料の除去を行う場所(以下「作業場」という。)を他の場所から隔離し、作業場の出入口に前室を設置すること。 ロ作業場及び前室を負圧に保ち、作業場の排気に日本工業規格Z八一二二に定めるHEPAフィルタを付けた集じん・排気装置を使用すること。 ハイの規定により隔離を行つた作業場において初めて特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始前に、使用する集じん・排気装置が正常に稼働することを使用する場所において確認し、異常が認められた場合は、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 ニ特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始前に、作業場及び前室が負圧に保たれていることを確認し、異常が認められた場合は、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 ホ除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 ヘイの規定により隔離を行つた作業場において初めて特定建築材料の除去を行う日の当該除去の開始後速やかに、使用する集じん・排気装置の排気口において、粉じんを迅速に測定できる機器を用いることにより集じん・排気装置が正常に稼働することを確認し、異常が認められた場合は、直ちに当該除去を中止し、集じん・排気装置の補修その他の必要な措置を講ずること。 トハ、ニ及びヘの確認をした年月日、確認の方法、確認の結果並びに確認した者の氏名並びに確認の結果に基づいて補修等の措置を講じた場合は、当該措置の内容を記録し、その記録を特定工事が終了するまでの間保存すること。 チ特定建築材料の除去後、作業場の隔離を解くに当たつては、特定建築材料を除去した部分に特定粉じんの飛散を抑制するための薬液等を散布するとともに作業場内の特定粉じんを処理すること。 |
2 |
特定建築材料が使用されている建築物又は工作物を解体する作業のうち、石綿を含有する断熱材、保温材又は耐火被覆材(吹付け石綿を除く。)を除去する作業であって、その材料を原形のまま取り外すなど、特定建築材料を掻き落とし、切断、又は破砕以外の方法で除去する作業(3に掲げるものを除く。) |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物又は工作物に使用されている特定建築材料を除去するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ特定建築材料の除去を行う部分の周辺を事前に養生すること。 ロ除去する特定建築材料を薬液等により湿潤化すること。 ハ特定建築材料の除去後、養生を解くに当たっては、特定建築材料を除去した部分に特定粉じんの飛散を抑制するための薬液等を散布するとともに作業場内の特定粉じんを処理すること。 |
3 |
特定建築材料が使用されている建築物又は工作物を解体する作業のうち、あらかじめ特定建築材料を除去することが著しく困難な作業 |
作業の対象となる建築物又は工作物に散水するか、又はこれと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 |
4 |
特定建築材料が使用されている建築物を改造し、又は補修する作業 |
次に掲げる事項を遵守して作業の対象となる建築物又は工作物の部分に使用されている特定建築材料を除去し、囲い込み、若しくは封じ込めるか、又はこれらと同等以上の効果を有する措置を講ずること。 イ特定建築材料を掻き落とし、切断、又は破砕により除去する場合は1の項下欄イからチまでに掲げる事項を遵守することとし、これら以外の方法で除去する場合は2の項下欄イからハまでに掲げる事項を遵守すること。 ロ特定建築材料を囲い込み、又は封じ込めるに当たっては当該特定建築材料の劣化状態及び下地との接着状態を確認し、劣化が著しい場合、又は下地との接着が不良な場合は、当該特定建築材料を除去すること。 |
※平成29年5月30日付けで環境省から、建築物等の内外装仕上げに用いられる建築用仕上塗材(吹付けリシン等)の除去等作業における石綿飛散防止対策について、通知がありました。石綿塗材の除去等作業を行う際は、特定粉じん排出等作業実施届出書の必要性の確認及び通知で示されている作業基準を遵守するようお願いします。
環境省通知文[PDFファイル/156KB]
5事前の届出について
上記の規制対象となっている作業を実施する14日前(土日を含む)までに都道府県知事に届出を提出する必要がありますので、特定粉じん排出等作業を実施する場所を所管する県事務所環境課へ提出してください。
なお、届出書の様式等は岐阜県:大気汚染に関する届出をご覧ください。(※平成26年6月1日から届出義務者が、工事施工者から発注者に変更しています。)
建築物に使用されているアスベストについて
建築物に使用されているアスベストについては、専門的な知識が必要ですので、先ず建築士、建築業者又は建築物に関する相談窓口までご相談ください。
アスベスト確認検査機関及び室内のアスベスト濃度測定機関
アスベストに関する検査・測定機関は、次のホームページ等を参照してください。なお、当該ホームページに掲載されていない検査機関でも、測定が可能な場合がありますのでご留意ください。
- 岐阜労働局ホームページ「作業環境測定登録機関名簿」<外部リンク>を参照
- 国土交通省ホームページ「建築物石綿含有建材調査者制度等について」<外部リンク>を参照