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土地収用制度とは

記事ID:0008866 2017年7月12日更新 用地課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 土地収用制度とは、公益性のある事業に要する土地等の収用・使用の手続や補償等にかかる制度であり、土地収用法により定められています。
以下、詳しく説明します。

土地の収用とは
 道路、河川、ダム等の「公共の利益となる事業」のために土地を必要とするとき、通常、その事業の施行者が土地の所有者と話し合い、当事者の合意による契約によって土地を取得することになります(民法上の売買契約等)が、土地の代金や建物の移転料などの補償額について折り合いが付かない場合や土地の権利者が確定できない場合などには、施行者は土地を取得することができず、結果として事業を実施することができなくなります。
 これは、憲法第29条が私有財産制を保障しており、公共のためであっても個人の土地などの財産をむやみに取得することが許されていないためです。
 しかし、それでは公共のために必要な事業も実施できなくなってしまいますので、同条では「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」とも規定しています。
 この規定を受けて、土地収用法が制定され、土地などを収用又は使用するための手続、損失の補償などが定められています。この手続に従うことにより、事業の施行者は土地を収用、使用し、事業を実施することができるようになります。この制度が土地収用制度と呼ばれるものです。
 つまり、土地収用法に基づく土地の「収用」「使用」とは、事業施行者が通常行っている土地取得(契約による用地買収等)と、異なる手続により行われる土地の取得方法を指しているのです。

 土地収用法では事業の施行者を「起業者」と呼びますので、以下では「起業者」の用語を用います。
 また、公共事業のために収用し、又は使用しようとする土地を所有している人を「土地所有者」、土地について地上権、抵当権などの所有権以外の権利を持っている人、土地の上にある建物などの物件を所有している人や建物を賃借している人などを「関係人」と呼びます。

事業認定手続と収用委員会手続
 土地収用制度は、「公共の利益となる事業」のためであれば常に利用が認められる、という制度ではありません。
 土地収用手続は、大きく分けて、起業者が行う事業が収用制度を適用するのに妥当な事業であるか審査する手続と、収用しようとする土地の補償額等について審理する手続、の2段階に分かれており、それぞれ異なる機関が判断する制度となっています。前者が事業認定庁が行う「事業認定」の手続、後者が収用委員会が行う「収用、使用」の手続となりますが、事業認定を経ていない事業は、収用委員会が行う手続に進むことができません。
 事業認定の手続においては、国土交通大臣又は都道府県知事が認定庁となり、起業者の実施しようとしている事業が、土地などの収用又は使用をする必要が認められる程度に公益性などがあるかどうかを判断します。その上で、収用委員会に収用、使用を求める「裁決申請」を行うことができるようにすることで、土地収用手続の慎重さを確保しようとしているのです。
 なお、事業が都市計画事業の場合は、都市計画事業の認可又は承認を受けていれば、事業認定を受けなくても、起業者は収用委員会に収用又は使用の裁決申請を行うことができます。

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