ナビゲーションをスキップして本文へ

ここから本文です。

個別的労使紛争の解決事例

 今までに当委員会であっせんを行った事例のうち、解決したものの一部を紹介しています。

 

賃金控除された費用の返還

<労働者側の主張>
賃金控除された費用の使途が不明確であるので、返還してほしい。

<使用者側の主張>
控除に係る協定を締結しており、費用の取扱いに問題はないため、返還するつもりはない。

<あっせん結果>
第1回あっせん時に、使用者側は控除費用の使途目的・内容を明確にできず、また時間を掛けたとしても全てを明らかにするのは時間の経過等から困難であることが判明し、そのことを労働者に伝えたところ、労働者は早期解決を求めたため歩み寄りが見られ、労働者に対する慰労金の支払いを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

不当解雇に対する補償金の要求

<労働者側の主張>
突然解雇を通知されたが、解雇理由に納得できない。解雇の予告をしていながら同職種の求人を行っていたことは整理解雇の4要件を満たしておらず、解雇は不当であり補償金を求める。

<使用者側の主張>
実際は「整理解雇」ではなく勤務成績不良による解雇であり、「整理解雇」としたのは本人に傷がつかないよう配慮したまでのことである。

<あっせん結果>
第1回あっせん時に、労働者は仕事上のトラブルが多かったが使用者側が本人を傷つけたくないという配慮からそのことを伝えておらず、労働者本人には仕事ができないという自覚が全くないという状態であったことが判明した。双方から聴取した主張を相手方に伝えるとともに歩み寄りを求めたところ、労働者に対する解決金の支払いを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

不当解雇に対する損害賠償金、不払い残業代、休業中の給与カット分及び不払い退職金の請求、退職日の変更

<労働者側の主張>
整理解雇として解雇予告通知を受けたが、整理解雇の4要件を満たしていない不当解雇であるため損害賠償金を求める。また不払い残業代、休業中の給与カット分及び不払い退職金の請求、退職日の変更を求める。
<使用者側の主張>
解雇手続きは法令・会社の規程にしたがい進めてきたため、本人の承諾がなくても有効である。また、本人は管理職のため、残業代は役職手当で対応することとなっている。

<あっせん結果>
事前調査で使用者側は会社の規程にしたがって解雇手続きを進め、また申出者の雇用維持のために努力をしてきたが、労働者との話し合いができず十分な説明もできていなかったことが判明した。第1回あっせん時に双方から聴取した主張を相手方に伝えるとともに歩み寄りを求めたところ、退職日の変更について合意が得られ、第2回あっせん時には解決金の支払いを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

減給及び配置転換の見直し、不当な降格による役職手当の減給分等の請求

<労働者側の主張>
給与が1年間の限定という条件で減額となっていたが、期間が過ぎているため戻すべきであり、その間の更なる減額も無効である。その他、不当な降格や配置転換もなされた。

<使用者側の主張>
労働者は他の社員とトラブルが多く管理職の資質に欠けていたため降格したものであり、その後も何度か指導したが改善されなかったためやむを得ず給与の減額や配置転換を行ったものである。

<あっせん結果>
事前調査で、労使間での話し合いができておらず説明不足な点があったことが判明した。第1回あっせん時に双方から聴取した主張を相手方に伝えるとともに歩み寄りを求めたところ、使用者側から解決に向けて具体的な提案がされ、第2回あっせん時には労働者の基本給の金額確認などを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

解雇予告手当金の2月分の支払い

<労働者側の主張>
使用者の主張する解雇理由に納得はできないが雇用継続は望まないため、解雇予告手当金の1月分の上乗せを求める。

<使用者側の主張>
店の客から借金をした行為が店の信用を失うものであることから解雇を予告したのであり、解雇予告手当は1月分で何ら問題はない。

<あっせん結果>
第1回あっせん時に労使双方の主張を聴取したところ、労働者は解雇を争わず金銭補償を求めており、使用者側も長年の勤務に対し解決金を支払うことについて納得している態度を示したため、解決金の支払いなどを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

傷害慰謝料、後遺障害慰謝料及び逸失利益、休業補償金の請求

<労働者側の主張>
使用者の安全配慮義務違反により勤務中に負傷したため、治療中の傷害慰謝料、後遺障害慰謝料及び逸失利益を請求する。また、労災休業期間については、当時の収入額に応じた休業補償金を請求する。

<使用者側の主張>
請求されている慰謝料及び逸失利益は法外な金額であり応じられず、また、休業期間の補償金については支払い済みである。

<あっせん結果>
第1回あっせん時には労使双方の主張に大きな隔たりがあったが、後に使用者側から歩み寄りたい旨の申し出があり、解決金を支払うことを内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 

配置転換の撤回、減給額の見直し

<労働者側の主張>

長年勤めた職場から突然異動を命じられ、更に身に覚えのない理由により減給、他の職種への配置転換を申し渡された。配置転換の撤回、減給額の見直しを求める。

<使用者側の主張>

労働者が使用者の意向に反した業務対応を行ったことや、異動先での勤務状況が良くなかったこと、また外部とのトラブルを生じさせたことが原因であり、要求には応じられない。

<あっせん結果>

計2回のあっせんを通じ、あっせん員から、今回の使用者側の対応は十分とは言えず、労働条件の決定にあたっては適切な手続きを経る必要があること等について助言するとともに、労働者側に対し、仕事に取り組む姿勢等について助言したところ、双方の理解が得られ、配置転換の申渡しの撤回、減給額の見直し、適切な人事評価・指導等の実施を内容としたあっせん案を双方が受諾し解決となった。

 


 なお、中央労働委員会においてもあっせん事例を紹介していますので、参考にしてください。

 「労働紛争の調整事例と解説」(外部サイト)